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幼なじみの千切豹馬に恋バナ持ちかけた結果/Novel by るる

幼なじみの千切豹馬に恋バナ持ちかけた結果

4,921 character(s)9 mins

※自衛してください!
幼なじみの女の子が好きな千切豹馬のお話。
最後の方不穏です。

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♪ピンポーン

とある休日、家で1人寛いでいるとチャイムが鳴った。

『はーい……って、なんだ豹馬か』

玄関の戸を開けると幼なじみというか最早腐れ縁の豹馬が気だるげに立っていた。

「何だよその反応。はいこれ、母さんが持ってけって」

そう言って差し出された袋の中には、

『わ~!!サツマイモだ!やった、ありがとうございます!』

大きなサツマイモがゴロゴロ入っていた。

一瞬で自分のテンションが上がるのが分かる。

「ふっ、お前本当サツマイモ好きだよな」

『大好き!叔母さんにありがとうって伝えといて欲しい!』

「分かった分かった」

豹馬は少し呆れながら笑った。

「というか、お前1人?叔父さんと叔母さんいねーの?」

いつもより静かな家に違和感を感じたのか豹馬が聞いてくる。

『お父さん出張で、お母さんは仕事の人たちと旅行に行ってるの。だから今日は私1人なんだ~』

「へー」

こいつ自分から聞いたくせに興味が無さそうな返事だな。

ジト目で睨みつけると、何だよと怪訝な表情をされたので首をふる。

『てかそろそろ帰りなよ。あんまり遅くなると叔母さん心配するよ?』

「まだ5時なんだけど?お前俺のこと小学生か何かだと思ってんの?」

『そんなこと言ってないでしょ!それに、ほら、私も今から忙しいし』

「どーせ今から焼き芋作るんだろ」

『え、な、なんで』

「お前、サツマイモ貰ったらいつもそうじゃん。てか焼き芋作るなら俺も食べたいし、」

お邪魔しまーす、と言って豹馬は靴を脱ぐと勝手にリビングの方へ歩いていく。

『は、え?いや…………はぁ、まいっか』

豹馬が家に入るのは初めてでは無いし、何なら家で何度か夜ご飯を食べて行ったこともあるくらいだ。

なんてったって、お母さんが豹馬を気に入っているからね。

ため息をつきながらリビングに戻ると、豹馬はソファに座ってテレビのチャンネルを変えていた。

おいおい、ここはいつからお前の家になった?

『……さすがお嬢』
「何か言ったか?」
『イエナニモ』

ボソッと言った皮肉も、豹馬のどす黒いオーラと声で一瞬でかき消される。地獄耳か。


……もういいや、焼き芋作ろ!

キッチンに行って鼻歌を歌いながら焼き芋を作り始める。

下準備をして芋を鍋にならべ火をかける。

よし、あとは待つだけだ!

リビングに戻ると、豹馬はストリーミング配信で流行りのアニメを見ていた。

『あー!これ気になってたやつだ』

見覚えのあるキャラクターに思わず反応してしまった。

「めっちゃおもろいよこれ」

『学校の友達もそう言ってた』

ソファの上のクッションを掴んで、豹馬の横に座る。

一瞬豹馬がこちらを見たような気がしたがどうでもいいので気にしない。

しばらく2人でアニメを堪能していると、

♪ピロリロリン ピロリロリン

いきなり電話の呼び出し音が鳴り響いた。

「俺のじゃないな」

『私のだね、誰からだろ…う……え、…!?』

待って待って待って。山田くん(好きな人)からだ!え、やばい!

「?どした?」

豹馬が不思議そうな表情で見てきたがそれどころじゃない。

『いや、何でも…あはは。ちょっと出てくる!』

適当に誤魔化してリビングを飛び出して自分の部屋に入ってドアを閉める。

『ヴゥン!!あーあー』

声の調子を整えて、と。

ピッ

『もしもし……山田くん?』

「あ、吉川さん?急に電話してごめんね」

『全然大丈夫だよー、どうしたの?』

と、電話を続けること約5分

「じゃあまた連絡するね!」

『うん!じゃあね!』

ピッ

……やばい、…トンデモナイコトニナッタ!

山田くんから映画のお誘いを受けてしまった!!

まじか!嬉しすぎる!

『え、やばい!!ありがとう!神様!!もう今なら何でも許せるー!!』

部屋に響かない程度に、小さく飛び跳ねて喜びを噛み締める。

そして最終的に、片膝をつき両手を上げて嬉しさに浸っていると

「…え、…何やってんの?」

『……』

いつの間に私の部屋に来たのか、扉を開けてこちらを見ていた豹馬と目が合った。

時が止まる。

そっとドアを閉めようとする豹馬を慌てて止めると

『や、今のは別に!ちょっと、まぁ色々と!』

「へー」

『その可哀想な子を見る目やめてもらってもいいすか!』

「とりあえず落ち着けって」

『そ、そうだね…って落ち着いてられない!!』

1人でツッコんだ私に豹馬はとうとう笑いだした。

「お前、っ、忙しいな、ははっ」

『もー』

ポスっと自分のベッドに座ってふてくされる。

豹馬はしばらく笑っていたがやっと収まったのか、目尻の涙を拭いながらこちらにやってきて私の横に座った。

「それで?何でそんな情緒が変になったわけ」

まだどこか面白がっているような雰囲気で豹馬が尋ねてきた。

『や〜…それはまぁ…』

「なんだよ」

『…………………言わないとダメ?』

「気になるだろ」

よくよく考えてみれば豹馬と恋バナなんてしたことないしなぁ…。

ちょっと気恥ずかしいというか、まあ昔からずっとしたこと無かったから今さら言うのもなぁって感じ。

ていうか豹馬って恋バナとかするのかな?

なんか気になってきた

『えーっと、…豹馬ってさ、好きな人いるの?』

こいつサッカー馬鹿だもんな、多分いないだろ………いや、まてよ?

こやつ昔からツラだけは良いし、彼女の1人や2人いる可能性もなくはない。髪の毛もさらさらツヤツヤだし。

「急だな、いるよ」

思ったよりもあっさりと答えてくれた豹馬に逆にひびる。もうちょい濁されるかと思ってた。

『へー、いるのか!』

まぁいるか、この歳にもなれば普通に。彼女の1人や2人くらい。

そこまで考えてハッとする。


『…まって、もしかして彼女いる?』

そしたらこの状況はまずいんじゃ…

「いたらお前と2人きりになるわけないだろ」

俺そんな不誠実じゃねーんだけど、と少し睨まれた。

だよね、ごめん。

『じゃあ片想いしてんのかー。豹馬に言い寄られておちない人いるんだね』
「どうゆう意味だよ」
『だって豹馬ってすごく美人じゃん?そんな人に言い寄られたら誰だってコロッと落ちちゃいそう』

「…ふーん。」

何考えてるのかよく分からない表情で豹馬は相槌をうった。ふーんってなんだよ。せっかく人が褒めてあげたのに。

「てか珍しいな。お前がそんな話してくるとか」

『まぁ私もお年頃だからね〜!で、誰が好きなの?私の知ってる人!?』

適当に濁し、豹馬に話の続きを促す。だって気になるもん普通に。

にんまりとした笑顔で詰め寄る私に豹馬は顔を歪めて引き気味だった。

「まぁ…知ってる人ではある」

『へー、誰だろ?私の友達?』

「さぁな」

『む、じゃあどんな子なの?』

「どんな子……まぁ、一言で言うと鈍感。恋バナとか聞いたことねーし、多分初恋もまだなんじゃね?って感じのやつ。」

これまた、すごくピュアな女の子を好きになったな。

初恋もまだかぁ…、それなら豹馬が苦労してるのも頷けるな。

『ねー、幼なじみ特権で教えてよ。知り合いだったら協力できるかもしれないし!』

「お前の協力とか絶対いらねー」

『なんでよ!せっかく応援しようとしてたのにー』

「俺は俺のペースで攻めるからいいんだよ」

『そんなこと言ってたら誰かに取られちゃうかもしれないでしょ!で、誰?』

「さぁ?」

『くそ!吐け!!』

答えをはぐらかした豹馬に飛びかかると、勢い余って2人ベッドに転がってしまった。

というか、私が押し倒す形になってしまった。

「お前、いつから男を押し倒す女になったんだよ」

綺麗な髪の毛を散りばめてベットに倒れる豹馬にそう言われる。なんか豹馬と話すといつも呆れられている気がするな。

『違いますけど!勢い余っただけですけど!』

男を押し倒す女なんてとんでもないレッテルだ。必死に違いと主張するも、

「さすがゴリラ女」

なんて鼻で笑う豹馬にカチンときてつい、


『何だとこのおんなおとこ!』


「……殺す」

『わー!!ごめんって!ごめん!!口滑っただけじゃんか!』

「それフォローになってねぇから」

不穏な空気を察し、慌てて豹馬から離れる。

ファイティングポーズで構えると、

「別に何もしねーよ。」

と、言われた。

そろりそろりと、大人しく豹馬に近づき隣に腰掛ける。

宣言通り、豹馬が何かしてくる様子はない。

『豹馬成長したねぇ。昔は怒ったら地の果てまで追いかけてきてポコポコ叩いて来てたのに』

「昔の話な。今やったらお前の骨折れるだろ」

『わー、めちゃくちゃ物騒』

そして否定できない。

いくら顔が可愛くても、程よく筋肉がついている体が、男子高校生ですって主張してるもん。

「てか、結局なんであんな情緒だったんだよ」

あ、そういえばその話から始まったんだった。

『うーん…ま、豹馬ならいっか!』

豹馬もいっちょ前に好きな人がいるらしいし、私の恋の相談にものってくれるかもしれない!

『あのね…実はさ、好きな人から電話がかかってきてさ』

なんか恥ずかしいなぁなんて思いながら。

豹馬に向き合ってそう報告すると


「……は?」


何故か一瞬で豹馬から表情が抜け落ちた…気がする。

「…ごめんちょっと、待って……」

『え?うん』

豹馬は額に手を当てて俯いてしまった。

『…豹馬?どうかした?』

体調でも悪い?と、心配したその時

いきなり手首を掴まれたかと思ったら

『え、うわっ!』

グイッと引っ張られ視界が反転した。

天井を背景に私を見下ろす豹馬だけが目に入った。

『…?豹馬?、何してんの?』

「好きな人、いるとか聞いてないんだけど」

『え、うん、初めて言ったし…?というかちょっと、離してほしいんだけど』

幼なじみにいきなり組み敷かれて困惑する。何だこの状況。

「今までそんな素振りなかったのに」

『まぁわざわざ豹馬に報告しようとか思わなかったしね。で、離してクダサイ』

「いつから好きなわけ?」

『キミは私の話を聞いてるのかな?』

「答えろよ」

『…1年前くらいから、かな』

「…なんだそれ、意味わかんねー」

『何言って…、てか本当に離して?』

ってわ、何で顔近づけてくるの!

『ちょ!豹馬近いって!!』

「………こんな状況でもお前は何も思わないのな」

『何言って…、ちょっと退いてよ、ていうかなんで急に人に跨るの!』

「……」

『…豹馬?』

豹馬は何も言わない。ハイライトのない瞳でこちらを見下ろしている。

え…?ほんとに何…?……なんか、いつもの豹馬じゃない…?

『ねぇ、退いてって』

何も言わずこっちを見ている豹馬。

何だか急に怖くなって、上半身を起こそうと両手で力いっぱい豹馬を押すが

『わっ』

両手首を拘束される形で再び押し倒されてしまった。

『ねぇ、離して…』

手首の拘束を解こうと藻掻くが、ビクともしない。

『ねぇ、流石に冗談が過ぎるって…』

少し震える声で豹馬に訴えると、

「は?冗談?俺は大真面目だけど」

『…離して』

「被害者面すんのやめてくれる?幼なじみだからって油断して家に入れたお前の落ち度だろ」

見たこともない冷たい瞳と口調でそう言い放たれた。

怖い…なんで…

どうにか拘束を解こうとするが、やはり掴まれた両手はビクともせず。

さらに力を込められ、手首がキリキリと痛む。

『豹馬っ、いたい…っ』

体をひねろうとも腰に跨がれているため逃げられない。

「ごめんけど、俺今更離すつもりないから。」

近づいてくる豹馬の顔。

「逃げれるもんなら逃げてみろよ」

美しい彼の髪の毛で光が遮断された。

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