【中東料理文化コラム】チュニジアの「焼き」「サラダ」…実は食卓の常連
きのう、東京の九段会館で開かれた、在京チュニジア大使館主催のオリーブオイル・イベントに足を運んだ。レクチャーと試食、そしてビュッフェという、オリーブオイル好きにはとても興味深い催しだった。
テイスティングであらためて感じたのは、チュニジア産オリーブオイルの力強さと、素朴な味わいだった。だが、もうひとつ、ビュッフェ台の片隅に、さりげなく、しかし確信犯的に置かれていた一皿、「焼きサラダ」だった。
「焼き」と「サラダ」という、日本語にするとどうしても軽い論理破綻を起こしてしまうこの料理。だが、チュニジアを代表する家庭料理である。パプリカやトマト、唐辛子などの野菜を直火で焼き、皮をむき、刻み、オリーブオイルと塩を加える。
会場ではパンの上にのせたカナッペ仕立てで出されていて、立食パーティー仕様としては実に理にかなっていた。久しぶりに口にしたその味に、記憶が一気に北アフリカへと引き戻された。
チュニジアで、初めてこの「焼きサラダ(サラータ・マシュウィーヤ)」に出会ったのは、首都チュニスから南下し、荒地が広がる地方の食堂だった。羊をさばき、炭火で焼き、皿にどんと載せて出すような店で、前菜として当然のように添えられていた。派手さはないが、オリーブオイルの香りと、焼かれた野菜の甘みが、強烈に記憶に残る味だった。
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