【ふくしま衆院選選挙区 最前線ルポ】2区 投票まで7日 横一線の衝撃、争い激化
商都・郡山市を中心に県内最多の有権者約42万人を抱える本県2区。中道改革連合の玄葉光一郎(61)と自民党の根本拓(39)は「横一線」―との序盤情勢調査が報じられた衝撃は、激戦に拍車をかけた。衆院副議長や外相を歴任した当選11回の重鎮が議席を死守するのか、自民の若手ホープが下克上で雪辱を果たすのか。前職同士の意地がぶつかり合う。2区内に約2万票とされる「公明票」の取り込みを巡り、駆け引きが激しくなってきた。昨年7月の参院選で躍進した参政党の新人大山里幸子(52)は保守票や政権批判票、浮動票をどこまで集めるか。戦況は混沌[こんとん]としており、波乱含みの展開となる可能性がある。 「12回目の選挙で初めて崖っぷちに立っているが、立ちすくんではいられない。比例で復活する可能性はほとんどない」。玄葉は30日夜、氷点下まで冷え込んだ商都の公園で、鬼気迫る表情で小選挙区での勝利に力添えを求めた。この総決起大会は急きょ、屋内から屋外に変更された。百戦錬磨の陣営には珍しい会場設定の不手際だった。
田村や須賀川、石川などで「玄葉王国」といわれる強固な地盤を築き、中選挙区時代を含め当選11回。新たに郡山が加わった2024(令和6)年の前回衆院選では地縁や血縁などをたどって“どぶ板選挙”に徹し、初陣の根本を3万票差で退けた。 今回は事情が違った。衆院副議長の重責を担い、自らの政治活動は抑制せざるを得ず、多忙な公務も相まった。玄葉をもり立てる顔ぶれは「前回とほぼ変わっていない」(陣営幹部)。組織の若返りを含め十分な体制強化ができないまま短期決戦に突入したという。 玄葉にとって「横一線」は苦戦を意味する。県内外から政党関係者や地方議員、団体幹部、企業関係者らが続々と応援に入っている。元立憲民主党衆院議員で福島市長の馬場雄基(33)の妻菜里も加勢する。かつて郡山を拠点に若年層や無党派層などに幅広く食い込んだ馬場の支援者らを味方に付ける狙いだ。 立民とともに新党「中道」を立ちあげた公明党の強固な組織力に、玄葉陣営はすがる思いだ。公示第一声で公明県本部代表の今井久敏は、連立政権を解消した自民を念頭に「なんぼ言っても変わらない人たちがいる。わたしたちは熟年離婚した」と四半世紀にわたる自民との選挙協力に決別を宣言。集まった公明、立民などの支援者の一体感を演出した。玄葉の選対本部長の無所属県議の佐久間俊男は「公明選挙の神髄を見た。この熱量は必ず最後に効いてくる」と舌を巻きつつ、新たな支持基盤を固めようとしている。