【独自調査】生成AI“止まらぬ進化”―選挙での“巧妙な”フェイク拡散どう防ぐ?SNS大手5社に聞く“偽・誤情報”対策【それって本当?】
■ユーザー発のフェイク動画が選挙期間中に発信されるリスクをどう考えるか
LINEヤフーは、ユーザーによる生成AIの利用が広がる中で、フェイク動画が容易に作成・投稿されるリスクについて重大な課題として認識していると回答。特に選挙期間中は、誤情報や誤解を招くコンテンツが民主的な議論に与える影響を踏まえ、より一層の注意が必要だとした。
TikTokはAI生成コンテンツの普及により、ユーザーの表現の自由が広がる一方、選挙期間中に誤解を招く選挙関連情報が拡散されるリスクも高まっているとして、プラットフォームの健全な環境維持に引き続き取り組むと回答した。そのほか3社は回答がなかった。
■アカウント停止や収益化停止など参院選後に行ってきたか。衆院選で悪質なアカウントに措置は?
LINEヤフーは、1月23日時点では「再生・閲覧数稼ぎを目的とした「選挙や政治のビジネス化」を目的とした投稿が拡散しておらず、今後とも適切にモニタリングすると回答。TikTokはコミュニティガイドライン違反が繰り返された場合や、1度の違反であっても重大性が高いと判断される場合には、TikTokアカウントを永久停止することがあると回答。悪質なコンテンツが自動的に収益化される仕組みとはなっていないとした。
■いわゆる「フィルターバブル」が選挙に与える影響をどう考える?検討している方策は
LINEヤフー、TikTokは、ユーザーが偏りなく幅広い情報に触れられるよう、システム設計を行うと回答したほか、Metaは必要なポリシーの見直しを不断に行うとした。
【アンケート回答全文】※2026年1月回答
Q、前回の参院選の時と比べ、生成AIの機能はますます進化しています。生成AIを使って作られたフェイク動画や画像などを、貴社ではどのようにフェイクだと見極めていますか。ファクトチェックの取り組みを具体的に教えてください。また特にこういった投稿のファクトチェックが難しいということがあれば教えてください
【Google】回答なし
【LINEヤフー】当社では、従前より、各投稿型サービスにおいて明らかな偽誤情報の投稿を禁止することを規約やガイドラインに定めており、権利侵害に関する窓口の設置も行っています。
また、政府機関やファクトチェック機関などによる確認を踏まえ、明らかな偽・誤情報と判断されるものについては、削除等の対応を行っています。各サービスにおける投稿の動向を注視しながら、必要な対応を実施していきます。加えて、生成AI機能に関するガイドラインを定めているほか、当社が意図せず偽・誤情報の発信源となることを防止するための対応として、ハルシネーションの可能性など、ユーザーに向けて丁寧な説明記載を行っています。
また、Yahoo!ニュースおよびLINE NEWSでは、「記事入稿ガイドライン」において、偽・誤情報などの正確性に欠ける記事を禁止しているほかAIを活用した記事についてユーザーに誤解を与えないよう、パートナーに遵守を求めています
【Meta】Metaには安全とセキュリティに取り組む人員が約40,000人おり、誤情報や虚偽情報の拡散を抑制するため、AIなどのテクノロジー活用に加え、コンテンツレビュワーも用いてコミュニティ規定に反する不適切な投稿を見つけ出し削除しています。コンテンツレビュワーは日本語を含む、80以上の言語のコンテンツをチェックし、またコミュニティからの報告に対応しています。
【X】生成AIで作られたかにかかわらず、信頼性ポリシーやコミュニティーノートを活用して対応します。合成または操作されたメディアについては以下のポリシーを定めています。公共の問題について広範囲にわたって混乱をもたらしたり、公共の安全に影響を及ぼしたり、深刻な損害をもたらしたりする可能性が高いメディア(「誤解を招くメディア」)を含む偽装メディアを共有することは禁止されています。
メディアが利用者を欺くことを意図した方法で共有されているか、または誤った文脈で共有されているかを判断するため、Xでは独自の技術を使用したり、サードパーティーとのパートナーシップを通じた報告を受けたりする場合があります。当該メディアが誤解を招くかどうかが確実に判断できない状況では、Xは対抗措置を取らない場合があります。
【TikTok】コミュニティガイドラインに記載の通り、TikTokでは、AI生成コンテンツのような新しいデジタルツールによるものを含む創造性を歓迎していますが、公共の重要性に関する誤解を招くコンテンツや個人に害をもたらすコンテンツは許容していません。
TikTokは現実と同じように見える動画や人物を表示するAI生成コンテンツを投稿する際には、クリエイターに対して「AI生成」ラベルをつけることを義務付けしており、TikTokのAIエフェクトを使用したAIGCにも自動的にラベル付けを簡単に行えるようにするツールも構築しています。2023年秋以来、2024年5月までに、3,700万人以上のクリエイターの皆さんに本機能を利用いただいています。
また、「コンテンツクレデンシャル」機能を使用して、他のプラットフォームを起因としたAIGCにもラベル付けをしています。この「コンテンツクレデンシャル」機能は、コンテンツの出所と信頼性に関する標準化団体のC2PAによって開発された技術で、コンテンツに「メタデータ」を付加することでAIGCを即座に認識し、ラベルを付けることができます。
加えて、グローバルファクトチェックプログラムを通して、国際ファクトチェックネットワーク(International Fact-Checking Network)公認の20以上の第三者ファクトチェック機関と連携し、コンテンツの正確性の評価も行っています。