五輪の借りは五輪で…離れていても心はひとつ クセと愛が強めの小野寺一家のカーリングジャーニー
最終予選で母の真美さんはチームの食事を作るなど縁の下で快進撃を支えた
【筆者撮影】
12月にカナダ・ケロウナで行われた五輪最終予選も亮二さんと真美さんは夫婦で観戦していた。氷上の娘は「お父さんは、ショットが決まる前から『ナイスショット!』って叫ぶから、少し恥ずかしいですけれど」と苦笑いしながらも「家族の応援がいちばん力になるので来てくれて嬉しいです」と満面の笑顔を見せた。
結婚して今は千葉県富津市で宿泊施設「ナカヤマイン」を営む美佳さんに「妹のどんなプレーを見たいですか?」と質問してみると、興味深い答えが帰ってきた。
同宿は富津という温暖かつフラットな土地柄もあり、スポーツ、特に駅伝やマラソンなどのチームが合宿利用することが多いらしい。今年の箱根駅伝で3連覇を達成した青山学院大学や、総合5位に入賞した中央大学の陸上部などの定宿でもある。
「よく選手が『箱根での借りは箱根でしか返せない』と言うんですけれど、佳歩も同じなのかなと思います。(ソチ五輪での)悔しい思いも五輪でしか返せない。体調を万全にして頑張ってきてほしいですね」
12月の最終予選を突破した翌日、小野寺はソチ以来12年ぶりの五輪への思いをメディアに聞かれ「オリンピックでの借りはオリンピックでしか返せない」と答えていた。離れていても、やはり思考が姉妹だ。
美佳さんは昨年2月の日本選手権決勝、延長戦までもつれ込んだ熱戦をナカヤマインの食堂で食い入るようにテレビ観戦していた。吉村紗也香のラストロックが決まった瞬間、号泣したそうだが、その際に作っていた煮込みハンバーグを焦がしてしまったという余談も披露するサービス精神とそそっかしさは父譲りだろうか。
常呂、富津、コルティナ・ダンペッツォ。この五輪が終わる頃には、またいくつもの裏話や秘話が生まれることだろう。小野寺家のカーリングジャーニー、イタリア編の幕が間もなく上がる。