一部で浮上した消費税12%説…大手メディアがスルーする「食料品減税2年間の後どうするか問題」特例公債に依存しないと主張、どうやって?
国民は本当に心から消費減税を求めるのか
日経新聞とテレビ東京が1月23~25日に実施した世論調査によれば、食料品の消費税率ゼロが物価高対策として「効果があるとは思わない」との回答が56%を占めた。また、消費税のあり方に関して「財源を確保するために税率を維持するべきだ」と「赤字国債を発行してでも税率を下げるべきだ」のどちらに考え方が近いか聞いたところ、「維持」が59%と多数で、減税は31%にとどまったという。この調査結果からは、国民も「未来へのツケ」に慎重なことがうかがえる。 今回の総選挙で、与野党はともに消費税減税を掲げる。だが、野村総合研究所のエグゼクティブ・エコノミストの木内登英氏は1月19日公表のレポートで、「食料品の消費税率ゼロ化は、消費税の逆進性を緩和し、物価高から低所得者を守るという観点からは一定の妥性のある施策と言えるだろう。しかし、高額所得者が購入する食料品の消費税率もゼロになることから、低所得者向けの物価高対策としては、有効性は高くない。
実質GDPの押し上げ効果は1年間でプラス0.22%
それならば、低所得者に絞った給付金支給の方が良いのではないか」と指摘している。 その上で「単純に減税を実施すれば、社会保障支出の基礎的財源が損なわれ、財政を悪化させるなど弊害が大きくなる。食料品の消費税率ゼロ化するのと同時に、消費税率全体を2%引き上げ、消費税収を維持するのであれば、それは検討に値する政策だろう。しかし、消費税率全体の引き上げが難しい情勢の下では、食料品の消費税率ゼロ化は実施すべきでない」と記している。 食料品の消費税を2年間ゼロにする場合、実質GDPの押し上げ効果は1年間でプラス0.22%にとどまり、2年目以降は押し上げ効果がほぼ期待できないという。木内氏は「社会保障支出の基礎的財源が損なわれ、財政を一段と悪化させるなどといった大きな代償と比べれば経済効果の恩恵は小さい」とする。 選挙時の公約は、政党や政治家にとって「命」だ。選挙後に実現しないことを訴えれば、政治不信は高まる。ただ、その公約が目の前の選挙で有権者の歓心を得るための戦略でしかなかったとしたら国民がツケを被る。どの政党、どの候補者が勝利するにしても、今後は国の成長と財政に対して「責任」をより求められることになりそうだ。
伊藤慶
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