遠回りしたけれど、無駄な人生なんてないと気づいた31歳
服飾学校を卒業後、OLになって8年目。
人生の再出発をしようと思い立ち、女性限定キャリアスクール SHElikesでWEBデザインを学び始めた。
スクール仲間の若い女の子がここで趣味を発信していると聞き、私もアカウントを作ってたまーに読んでいる。
アカウントを作ったということは、自分もいつかは発信したいと思っていたからだ。
いつから書こう、何から書こう、と思っていたら、書きたいことが漠然と増えて手がつけられなくなっていた。
不器用なくせに完璧主義な私の悪いところは、こんなところにも出てくる。
これまでも、やりたいことにはほどよく巡り会えてきたけれど、結局どれも目指すところまで辿り着けなかった。
下準備に時間をかけすぎて、気付いたときには熱が冷めていた というのがデフォルトだ。
そんな私に友人が助言してくれたのは、服飾学校卒業間際のことだった。
「きみは、一度どん底に落ちないと才能を発揮できないと思うよ。」
つまり、学ぶより先に業界へ飛び込んで、痛みや苦しみを経験してから這い上がってくればいいじゃん。ということだ。
キャンパスがあった国分寺の鳥貴族で、ホワイト苺アイスを食べながら言われたこの一言をきっかけに、私は人生の迷子になってしまった。
どん底に落ちてもいいくらいに本当にやりたいことが何なのかわからなくなってしまったのだ。
服飾を学びたいというのはただの口実で、愛媛の実家を出たかっただけなのかもしれない。
入学式のあと、新宿駅の12番線ホームで見た母の涙を思い出しては「ごめん」と思う。
もしも自分に子供ができたら、都会も田舎も海外も一緒に行って、1人旅がしたいと言えば、喜んで送り出してあげたい。
だって、旅ならすぐに帰ってくるから。
私は未来予想図がまっさらになっても、愛媛へ帰ろうとは思わなかった。
夢を語って上京した意地でもあり、希望でもあった。
卒業後は、4年間通った学校に拾ってもらい大学事務のアルバイトを3年間の有期で始めた。
貯金をしながらやりたいことを探そうと思っていたけれど、居酒屋のバイトを掛け持ちしても手取りは15万円程度で、都内の家賃、光熱費、奨学金、その他生活費を払えば貯金をする余裕はなかった。
3年間は保証されている。
でも、その先どうしよう。
次代にこんな不安が押し寄せるようになった。
メンタル不調から肌は荒れ、治療るすためにバイトを増やしてクリニックに通うという悪循環だった。
あの頃の睡眠時間は4時間程度で、休みは月に3日あればいい方だった。
貴重な20代前半の時間を無駄にしたねと思われるだろうけど、あの頃はそれ以外の選択肢なんて自分にはないような気がしていた。
どこに這い上がればいいのかもわからず、無駄などん底だと感じていた。
現在の私は31歳。
3年間の大学事務を終えた後、都内で正社員OLを続けている。
3年間で養われたPCスキルはお遊び低度だったけど、「元大学事務」という肩書きは、転職に少しだけ有利だった。
転職先の人材派遣会社では、スタートアップ事業への配属だった。
同期はPCスキルが高く、ショートカットを爆速で使いこなす。
一方で私は、周りのスピードに動揺してして震える手でキーボードを一生懸命叩いていた。
終電退勤、始発出勤、なんてこともあったけれど、あの頃は若かったし気合いでなんとか乗り切れた。
なによりも、自分が頑張らないと先に進まないという環境が新鮮で、使命感が心地よかった。
はじめこそ試行錯誤の繰り返しだったが、どんなことも続けているとコツが掴める。
私の代わりに頑張ってくれるシステムが次々と誕生し、スキルがなくてもできる仕事へと変化していった。
そんな流れで私の配属先が変わり、保険会社で営業補佐として事務をすることになった。
実働7時間、残業なしという超超ホワイト企業だ。
おまけに、職場は自宅から電車で7分。
お給料もちょっぴり上がり、会社からのご褒美ではないかと勝手に思っている。
自由に使える時間が格段に増えて、これはいいタイミング!
ということで、以前から興味があったWEBデザインを学べるキャリアスクールへの入会を決断した。
私の夢は、自分で作ったハンドメイドのアクセサリーブランドを、自分でプロモーションすることだ。
HP、ショップカード、チラシ、ラッピング・・・
全部に私の世界観を詰め込んで世に送り出せたらどんなに嬉しいだろう。
だいぶ遠回りしてここまで辿りついたけど、無駄な時間はなかったと今は思える。
そう思える一番の理由は、隣にいる彼だ。
同棲を始めて4年、2023年2月に入籍予定の彼と出会ったのは、大学事務の傍らアルバイトをしていた派遣会社だった。
彼氏だけど、親友みたいな関係。
たまーにお父さんみたいに厳しかったり、支えてくれたりする。
この人に出会うための遠回りだったとしたら、世の中に無駄なものなんて何もないのかもしれない。
どんなに辛い日々が続いても、生きていればいつか光が見える。
目の前のことに一生懸命取り組んでいれば、きっとご褒美がある。
そう信じることに意味があると思う。
相変わらずマイペースだけど、今の私は毎日、確実に、前進している。
1日が終わった時に、「今日は新しいことを知れたな」「すごく進んだな」という充足感に包まれて、心地よい疲れを感じながら眠りにつけることに感謝しよう。


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