アツコを支配したい
アツコを支配したいお話。
これ(novel/22948633)とこれ(novel/23041338)の続きのお話です。
単発のつもりがもう3話目になってしまいました。
やっとお迎えできたのでヒヨリのお話も書いてみたいなと思ってます。
楽しんで読んで頂けたら幸いです。
- 82
- 91
- 2,106
「先生、体調はどう?」
『だいぶ良くなったけど、今日は1日家でゆっくりするかな』
通話越しに聞こえる先生の声は少し辛そうだ。
日頃の無理が祟って風邪を拗らせてしまったらしい。
『ごめんね、今日は1日お出かけの予定だったのに』
「ううん、先生の健康の方が大事だよ」
とは言え、楽しみにしていたので少しだけ残念だ。
何より先生に会えないのが悲しい。
「・・・ねぇ、先生」
『どうしたの?』
「恋人なら、お見舞いに行っても良いよね?」
なんて提案は建前。
先生に会う理由が欲しかった。
『うん、もちろん』
「やった」
思わず喜びの声が出てしまう。
端末には住所が送られて来ていた。
「(そういえば、先生の家に行くのって初めて)」
いつもシャーレに寝泊まりをしている印象もあり、先生にも家がある事を忘れていた。
「ふふっ、どんな感じなのかな」
「・・・もしかしたら使うかもしれないよね」
出発の準備を整えながら、薬を1錠取り出す。
先生は体調を崩しているから変な事は起こらないはず。
けれど、一応、万が一のために。
「遅くなる前に出発しなきゃ」
今思えば私は未熟だった。
先生の心を暴いて、彼に愛されて。
それだけで先生の全てを知った気になっていた。
自分が先生の、唯一無二の特別だと信じて疑っていなかったのだ。
*
「ここが、先生の家・・・」
予想外に立派なマンションだった。
教えてもらった通り、エントランスで先生の部屋にコールしオートロックを開けてもらう。
そしてエレベーターに乗り込んだ。
「(結構お金持ちなんだ、先生)」
割と金欠気味なイメージがあったので、こんなマンションに住んでいた事に驚いていた。
「えっと、この部屋だよね」
先生の部屋のインターホンを鳴らす。
程なくして、扉が開いた。
「いらっしゃい、アツコ」
少し気怠そうな先生が姿を現した。
顔を見れた嬉しさと、無理をさせてしまった申し訳なさが心に渦巻いている。
「お邪魔します、先生」
それでも、会いたかった。
とても好かったです… これで晴れて共依存ですね。