それにしても、福清市とはどんなところなのか。

福清市は福建省の省都、福州市の南に位置する人口約140万人(23年末)の都市だ。面積は約2430平方キロメートルなので、香港に隣接する深圳市(約2050平方キロメートル)よりやや大きいくらいだが、人口は深圳の10分の1以下。中国全体からみれば、特産物などはとくにない地方都市のひとつだ。

だが、福清市は華僑の故郷、「僑郷」という別名で呼ばれており、特徴は、古くから海外、とくに東南アジアや日本などに出ていく人が非常に多いこと。「中国のユダヤ人」などの別名でも呼ばれている。現在でもその伝統は続いており、中学や高校を卒業後、海外に出ていくことは福清人にとって「当たり前」という認識だ。

私が2018年に出版した『日本の「中国人」社会』でも、取材相手に出身地を聞くと、福建省出身者と東北三省(遼寧省、黒竜江省、吉林省)の出身者が多い、という印象があった。

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法務省の在留外国人統計では、2011年まで「都道府県別 本籍地別 外国人登録者数」という統計を公表していたが、外国人登録証が在留カードに統一されたことに伴い、本籍地情報は取得できなくなり、統計発表はなくなった。

そのため、在日中国人の出身省別の統計も2011年が最後だが、それによると、最も多いのは遼寧省、続いて黒竜江省、福建省の順だった。歴史的なつながりもあり、旧満州があった東北地方から来日する人が多いが、それ以外で最も多いのが福建省であることがわかる。

同統計の終了からすでに10年以上が経過しているので、現在はどの省の出身者が多いのかを把握することはできない。だが、少なくとも、一般の日本人が知らない間に、川口市内に「福建省コミュニティ」「福清コミュニティ」が構築されていることは確かだ。

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