「外国人増=治安悪化」は大間違い…保守が無視する「むしろ大量の移民を受け入れないと日本が終わる」現実
■移住者の犯罪率は「むしろ低い」 2024年に関して言えば、刑法犯罪の容疑で検挙された人のうち、外国人は全体の5.5パーセントである。人口に対する検挙率(単純に人口を検挙人員で割ったもの)も毎年、日本人が0.16から0.2パーセント程度、外国人が0.2から0.3パーセント弱程度で推移している。外国人が多少高めであるのは確かであるが、年齢の構成(日本にいる外国人はそもそも犯罪者になる確率が高い年齢層、すなわち若い人が多い)など考慮すると、大差ではない。 なお、これらの統計にある「外国人」検挙者は短期滞在者などすべての外国人を含めての数値であるので、永住者など長期的に日本に住んでいる人に限って言えば、検挙率は0.1パーセントと日本人より低くなる。「外国人の流入によって日本の治安が崩壊している」という言説は事実に基づくものではない。 国際的な研究でも、移住者の犯罪率はむしろ低いというのがコンセンサスである。それもそのはずであり、移住者は大変な思いをして自国から新天地に来て根を張ろうとしているので、真面目に生きるインセンティブが大きい。排外主義者の描く像に反して、掻き乱すためにわざわざ新しい国に移住する人はあまりいない。純粋に経済的に考えても移住者は貢献が大きく、プラス効果であるという研究が圧倒的主流である。 ■デマにより「数百人の負傷者」が出る事件に なお、「外国人が罪を犯してもマスコミは人種差別と糾弾されるのを恐れて、報道しない」という言説が(日本でも欧米でも)見られるが、根拠がゼロで、外国人を敵視するためのデマと認識するべきであろう。欧米に関して言えば、外国人の場合は報道しないどころかその事件が不相応に大々的に取り上げられ、外国人排斥のさらなる理由になるのが関の山である。 「マスコミは外国人を庇っている」という思想は極めて危険で、例えば2024年、イギリスで児童ダンス教室が襲われて、3人の女子が刺殺されるという事件が起きた。事件後、「マスコミは報道しないが、犯人は難民」というデマがソーシャルメディアなどで流れて、難民の宿舎の襲撃や暴動などが各地で発生、数百人もの負傷者が出た。日本では(まだ)大きな暴力事件が起きていないが、「マスコミや人権弁護士、社会のエリートが外国人を擁護しており、日本人の方が差別を受けている被害者」という、根も葉もない陰謀論はすでに日本で見られる。