「父さんと俺の車に乗って」 天国の父に誓う 一人前の宮大工
金居達朗
夜、寺の境内に刃物を研ぐ音が響く。3人の青年がザリザリと金属を光らせている。
三重県志摩市の薬師寺。3年前、老朽化の進む本堂や庫裏などの修復が始まった。修復するのは社団法人「宮大工養成塾」に通う10~20代の若者たちだ。中学や高校を卒業後、10代で入塾し、宮大工を目指す。
唯一の3年生の下田昊徳(ひろのり)さん(18)は、2021年、中学卒業後すぐに入塾した。
祖父、父ともに東京都西東京市で造園業を営み、幼い頃から身近に木があった。小学生の頃、木組みのおもちゃで遊んでいた下田さんを見た母に宮大工を勧められた。手に職を持つ職人の祖父と父に憧れていたこともあって、宮大工を志した。
病気で寝たきりの母、父も倒れて・・・
中3の夏ごろ、バセドウ病に…