ヤマダだけ店員が多いと感じるカラクリ
家電量販店は家電メーカーから商品を仕入れて、その仕入金額をメーカーに支払います。商品を店頭に配荷することを「セルイン」と呼びます。 その仕入額に応じて量販店には奨励金などが支払われますが、メーカー側からすると商品の売れ残りや返品といったリスクも存在します。
やはりメーカーとしては、できる限り投入した商品をすべて売り切ってほしいのが本音です。そこで量販店は、売れ残りを出さないよう販売に力を入れることになります。
その販売意欲を高める仕組みとして、実際の販売後(セルアウト)にメーカーから量販店へキャッシュバックされる制度があり、これを「セルアウトリベート」と呼びます。
すべてのメーカーがリベートを払えるわけではありませんし、基本的にはできるだけ低く抑えたいと考えています。また、商品単価が低いために、リベートを多く支払えない企業(例:PC周辺機器メーカーや新興企業など)もあります。しかしその一方で、「奨励金もリベートも人も出す」という大手メーカーも存在します。その結果、店頭にはこうした応援販売員が増えていきます。
ヤマダHDでは現在、この「セルアウトリベート」への転換を進めており、これによって売上総利益率を上げようとしているのです。
しかし同社の店頭従業員数は、25年度は前年比約99.7%(同社IR資料より)です。自社の従業員がまだ店頭に多く配置されていて、さらにメーカーからの応援販売員も多く受け入れている状況です。このようなことから、ヤマダHDの店頭には販売員が多くいて、客の方が少ないという現象が見られるのです。
すでにノジマでは自社販売員のみで売り場をまわしていますし、ビックカメラでも27年までにメーカーから派遣されている販売員約2000人の受け入れをやめて、自社の中堅社員のみで売り場をまわしていくと22年に発表しています。
つまり、他社と比べてもヤマダHDで「客より販売員が多い」ように映るのは必然というわけです。
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