“基準あいまい”危険運転致死傷罪に「数値基準」導入へ 遺族からは懸念も
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危険・悪質な運転による事故を罰する「危険運転致死傷罪」。厳しい罰則が設けられているが、基準が“あいまい”だと指摘されてきた。あいまいさを解消しようと10か月にわたる議論の末、導き出された「数値基準」。2026年、国会で議論が始まるが、遺族からは懸念の声もあがる。(社会部・司法クラブ 久保杏栞) 【画像】遺族の思いは?「危険運転致死傷罪」要件見直しへ 後を絶たない死亡事故
■「危険運転致死傷罪」ってどんな法律
「次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は15年以下の拘禁刑に処し、人を死亡させた者は1年以上の有期(最大20年)拘禁刑に処する」 この一文から始まる「危険運転致死傷罪」。8つの行為を対象としている。 8つのうち最初に掲げられているのが「アルコールまたは薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為」。そして次に、「その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為」が続く。 しかし、これらはいったいどのような運転を指しているのだろうか。基準があいまいなため、悪質な事故であっても、法定刑の軽い「過失運転致死傷罪」の適用にとどまっているのではないか。こうした指摘が相次いでいた。刑の上限は「危険運転致死傷罪」が20年なのに対し、「過失運転致死傷罪」は7年。大きな差がある。
■“あいまい法”の見直しへ 有識者らによる議論始まる
こうした中、法務大臣は2025年2月、危険運転致死傷罪の見直しに向けて法制審議会に意見を求めた。研究者、法曹三者、そして遺族などから委員12人が集まり、議論が始まった。 大臣が具体的に意見を求めたのは、アルコールや速度に“数値基準”を作るかどうか。作るとしたら、どこで線引きをするかが最大の論点となった。
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