売春防止法、買う側の勧誘行為も処罰案
法務省は、成人間の売買春を規制する売春防止法を改正する方向で検討に入った。「売る側」だけに罰則がある勧誘罪の対象に、「買う側」を新たに加え、不均衡な規制の形を見直す案などがある。複数の政府関係者が明らかにした。 【写真】タイ人の少女が働かされていた店のメニュー表 法務省は2月にも有識者を含めた検討会を設置し、見直しに向けた議論を始める。罰則の引き上げなどについても検討するとみられる。 売春防止法は1956年に制定された。「社会の風俗をみだす」などとして、金銭をやり取りして不特定の相手と性交する「売春」を防ぐことを目的とする。 ただ、性行為そのものは罰せず、売春のあっせんや管理などを処罰する。売る側が公衆の面前で勧誘したり客待ちしたりする行為にも、「6カ月以下の拘禁刑か、2万円以下の罰金」という罰則がある。 一方で現行法には、買う側に対する罰則がない。相手が未成年の場合は、児童買春・児童ポルノ禁止法や児童福祉法などの摘発対象となる。 2025年11月には、タイ国籍の当時12歳の少女が東京都内の「マッサージ店」で働かされ、人身取引の被害者として保護される事案が発覚。同年秋の臨時国会では、売春防止法に買う側を罰する規定がない点に議論が及び、「性を売らざるを得ない女性だけが検挙されるゆがんだ構造がある」などと法改正を求める声が相次いだ。 これに対し、高市早苗首相は「近時の社会情勢などを踏まえ、売買春に係る規制のあり方について必要な検討を行う」と答弁。平口洋法相に検討を指示し、法務省が同法の運用状況や海外の法制度などを調査していた。(二階堂友紀)
朝日新聞社
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