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金高騰の構造:1980年代は止まった。2026年は止まるのか?



1980年代のゴールド高騰

はじめに

金が高騰してます。私たちの生活はどうなるんでしょう。いやだ、女子アナの真似しちゃった。読んで欲しいから土日だけ無料で公開するわね。

金高騰の歴史を紐解いて、金相場がどうなるか考えていきましょう。結論としては

  • 1980の金高騰は「実質金利マイナス+ドル信認低下」で説明できる。

  • ボルカーは実質金利を大きくプラスにしてドル信認を回復、金は崩れた。

  • 2026はその“信認回復の回路”が働きにくく、プレミアムが剥がれにくい。

という事になった。順番に見ていきましょう。

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1980年に金は高騰したのは意外と話題にはならない。1978年から80年のピークにかけて実に3倍近い上げを見せている。この時のマクロ経済環境を紐解くことによって、令和の金高騰相場を分析していきましょう。

インフレ調整済みゴールド価格

金価格高値更新と言っても一応モノなので、物価を調整して過去と比べないとダメ。インフレ調整済みドル建て金価格。物価調整済みで見ると実はドル建ての金が高値更新したのは最近の事でつい半年くらい前だった。この一月で信じられない位上がったけど。

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一方で物価情勢済みの円建て金価格をみてみよう。日本は物価水準ほとんど変わらなかったので。。。

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グロ画像失礼しました。

1980年代の米国経済

1979年から80年にかけて金の上昇が加速した。原因としてまずは物価上昇がかなり高かった。そしてドル指数は横ばいだったけど、この金高騰はインフレ期待の高まりだったともいえる。インフレヘッジとして金が選好された。実際インフレ率の上昇と共に金が上がってたのが見て取れる

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結局この高騰は、連銀総裁が金利を20%近く上げるまで続いた。

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実質金利がゼロ近傍からマイナスになるのを見て金価格は上昇をつづけたけど、ボルカ-が実質金利を6%にするなど、強烈に引き締めた結果。金は下がった。

1980年前後の米国経済構造

経済モデルより実際のマーケットがどうなってたかを見た方がわかりやすいので、データ重視で分析した。変数は、CPI、FF金利、10年金利、SP500、原油、住宅価格、ドル指数。これらは複雑に相関し絡んでるのでわかりやすくするために主成分分析をした。簡単に言うと、個々の株を見てもわからんので、日経平均みたいなインデックスをPC1,PC2って名前で作りました。これで株式相場全体の方向が分かる。のと同じ。そんなイメージ。

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第一主成分、この時の市場のメインドライバーは、株、原油、住宅、金、そして金利の上昇。実体経済の過熱と資産価格の上昇、それを反映した金利上昇がテーマだったといえる。金もこの経済過熱の一員だった。

第二主成分、CPIが大きなプラスで、ドルインデックスが大きなマイナス。物価上昇とドルは完全に逆を向いてる。すなわち物価上昇で通貨の価値が毀損してる状態。さらに金がプラスなので。もう一つのテーマは物価上昇によるドルの減価。そして金への逃避が起きてたと言える。

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上で見た、PC1を経済過熱指数、PC2ドル不信任指数として代表させることにする。その推移をみていこう。経済過熱指数は、ボルカ-の急ピッチの利上げにも関わらず横ばいで、結局下がることはなかった。一方で、ドルの不信任指数が急激に低下。それと共に金価格も下落していったことがわかる。実質金利を大幅にプラスにもっていく政策は効いた。

さて経済過熱指数PC1とドル不信任指数PC2をプロットするとさらに見える事もある。

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グラフ上の点は時計回りのような独特な軌跡を描いており、3つのフェーズに明確に分かれる。

フェーズ1:フェーズ1左上から右上へ経済過熱が進行と同時に、ドル不信任指数が上昇。ドルが減価しながら経済が過熱してるさまが見れる。これはFRBの対応の遅れから経済の過熱と信用不安が同時に進行している。

フェーズ2:ここが金価格の最高値($600超)です。重要なのは、経済過熱指数が最大化しているだけでなく、ドル不信任指数も極めて高い位置にある点です。「物価が高い」という事実以上に、「通貨保有価値の不信感」がプレミアムとして金価格に上乗せされていた時期です。

フェーズ3:ボルカー・ショックの効果(1981年〜1982年)。縦軸ドル不信任指数は劇的に低下しました。これは、高金利政策によって「インフレはいずれ収束する」「ドルを持つことに実質的なメリットがある(実質金利のプラス転化)」という信認が回復したためです。結果として、経済過熱指数はまだ高位で残っていても、不信のプレミアム(PC2)が剥落したことで、金価格は暴落(赤→オレンジ→黄色)しました。

まとめ

1980年の金高の進展は、経済過熱に対するFRBの遅れ。それによる実質金利のマイナスによる通貨信認の毀損が原因と見れる。この流れが反転したのは、中銀の利上げによる実質金利の大幅な上昇。これによりドルの信認は大きく回復したことをきっかけで金はさがった。中央銀行がドルの信認を回復させて金を下げる。さてこのパスは現代にあるのか?。

1980年 と 2026年の相違点

2026年、中央銀行がドルの信認を回復させれば、金高騰は終わる。そういう事は出来るのだろうか。

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結論としてはむずかしい。上の表にまとめた。

1.利上げの財政への副作用が大きくなりやすい

高金利でインフレ期待をへし折って実質金利を大きくプラスにすることだったけど、今は米国の債務比率は100%を超えており高金利を維持すると政府財政が厳しくなる。特にトランプは財政赤字をかなり嫌っているので、すでに実質金利がプラスになってるのに利上げというブレーキは厳しい。さらに実質金利がプラスにも関わらず金価格は上昇してしまってる。

2.中銀の準備資産分散

中国とインドなどの中央銀行はかなりのハイペースで金を買い、米国債を減らしてる。世界の中央銀行の準備資産において、金の保有額が米国債を逆転したという話もある。利上げの上限というキャップが薄っすら存在している以上米債を買い戻す行動は中々おきずらそう。

3.ドル信認以外のテーマ

貿易政策で基軸通貨維持を手放しそうだった。政治リスクも勘案すれば金利を上げただけでは完全にドル信認は戻りにくい。さらにドル円のレートチェックまでしてる。

まとめ

中央銀行がドルの信認を高める政策はトランプ政権中はかなり難しいのではないか。金が下がるのは厳しそう。1980は「高金利=信認回復」が効いて、資金がドルに戻る回路があった。いまは分散が進んでいて、一度“ドル不信プレミアム”が付くと、金利だけでは剥がれにくい。ここで言う“信認回復”は、①実質金利を十分プラスにする、②資金がドルに戻る、の2点。80年代は②が起きたが、今は②が起きにくい(=プレミアムが剥がれにくい)。


円建てのゴールド

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ドル建てのゴールドは物価調整済みでせいぜい1980年高値から1.6倍位なんだけど、日本の物価調整済みは本当にひどい。2.7倍。3倍近い。円建てのゴールドは、ドル建てゴールド×ドル円に分解できる。つまり田中貴金属に並ぶという事は、ドル建てゴールドとドル円ロングしてる事になる。

ドル建てのゴールドが下がる条件は中銀によるドルの信認回復だったけど、円建ての場合も似たようなパスはありそうだ。日本の場合は巨額の財政赤字もあるけどインフレで歳入は増えたし、金利も上昇局面。金融正常化のパスにのれば下落リスクは結構あると思う。実質金利がプラスに浮上したら目安として、金の積み立てやガチホは再検討すべき。

ただし、高市政権のリフレ財政路線に加えて、実質金利がマイナス2%と超緩和状態にある。ラーメン二郎より田中貴金属に並んだ方が実りがあるかもしれない。

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