医療機関の倒産、休廃業・解散 2年連続で過去最多を更新
休廃業・解散は823件で過去最多を更新、倒産の12.5倍に
2025年に休業・廃業・解散が判明した医療機関は823件となり、2024年(723件)を上回って過去最多を更新した。10年前(2015年=359件)と比べて2.3倍、20年前(2005年=139件)と比べて5.9倍に増加している。 業態別では「病院」が15件、「診療所」が661件、「歯科医院」が147件で、「診療所」と「歯科医院」が過去最多を更新した。また、2025年の休廃業・解散件数は、同年の倒産件数(66件)の12.5倍となり、業態別にみると「病院」が1.2倍、「診療所」が23.6倍、「歯科医院」が5.9倍となった。 休廃業・解散件数が増加し続けている最大の要因は、医療機関全体の80.3%を占める「診療所」の経営者の深刻な高齢化と後継者不足にある。帝国データバンクが全国の診療所経営者の年齢分布(年齢が判明した1万553人対象、2026年の誕生日の年齢基準)を調べたところ、70歳以上の経営者が全体の56.7%を占め、歯科医院(3281人を対象、70歳以上の経営者26.1%)を大きく上回った。 歯科医院は2020年から2023年まで80件台となっていたが、2024年以降100件超えとなり急増している。カルテの電子化に向けた動きに伴い、廃業を決意する経営者が増えていることなどが要因になっているとみられる。 全国の施設数は、「病院」が7998施設、「診療所」が10万5657施設、「歯科医院」が6万5600施設 (2025年10月時点、厚生労働省データ)で、診療所の数が圧倒的に多い。さらに2015年以降の10年間で「病院」が484施設減少、「歯科医院」が3156施設減少しているのに対し、「診療所」は4539施設増加しており、特に競争が熾烈だ。
今後の見通し
2025年の医療機関の倒産件数(66件)、休廃業・解散件数(823件)は、ともに過去最多を更新し、倒産、休廃業・解散の合計は889件に達した。 病院の経営状況の悪化や診療所における経営者の高齢化、後継者不在などを大きな要因として2026年も引き続き医療機関の倒産、休廃業・解散は高水準で発生し続けることが予想される。一方で2026年度診療報酬改定が3%を超える大幅引き上げとなることで、病院の収益改善がどこまで進むのか注目が集まる。