【復活!海外版スーパー戦隊!】ハワイで愛され続ける日本特撮ヒーローの魅力と未来とは?
みなさま、こんにちは!
文学博士の二重作昌満です。
ついに12月に入りました。
年の瀬が近づきつつありますが、皆さまいかがお過ごしですか?
さて、今回のテーマは「IGNITION」です。
「IGNITION」とは点火、発火、着火を意味する英単語。
動詞では「IGNITE」となり、発火させる、点火させるという意味があります。
お堅い話はここまでにして、この「IGNITION」。
我が国が世界に誇る、東映株式会社(外部リンク)制作の特撮ヒーローシリーズ「スーパー戦隊シリーズ」の海外版として、1993年より米国をはじめ世界各国で放送された『Mighty Morphin Power Rangers(マイティ・モーフィン・パワーレンジャー)』の魅力を、映像や玩具などを通じて再発見する『Power Rangers Re-Ignition』が、現在にかけて動画サイトでの配信や、玩具などの商品を通じて展開されています。
私も幼少期から、日本とハワイの二カ国を拠点に生活をしているので、アメリカの『パワーレンジャー』文化には長く触れてきたのですが、今年(2025年)に入って再び初代パワーレンジャーに注目が当たることになるとは思いませんでした。
そこで今回は、海外版スーパー戦隊シリーズである『パワーレンジャー(Power Rangers)』の簡単な概説と共に、私のハワイでの体験談も交えながら、現在までのハワイにおける日本の特撮ヒーローの活躍について、少しだけ焦点を当ててみたいと思います。
【It’s Morphin Time!】日本からアメリカへ!海外生まれのパワーレンジャーがアメリカ社会に与えた衝撃とは?
さてさて、ここからは、アメリカにおけるスーパー戦隊シリーズの海外進出の歴史について、少しだけお話をしていきたいと思います。
日本でスーパー戦隊シリーズの放送が開始されたのは、1975年のこと。東映株式会社(外部リンク)が制作したシリーズ第1作『秘密戦隊ゴレンジャー』の放送を起点に、新たなシリーズが次々に制作され、現在まで親子三世代に渡って愛され続けてきました。
長きに渡るスーパー戦隊シリーズの歴史において、スーパー戦隊シリーズがアメリカで放送を開始したのは1993年のこと。番組のタイトルは『Mighty Morphin Power Rangers(マイティ・モーフィン・パワーレンジャー)』と題して、ロサンゼルスやニューヨークなどの大都市圏で月曜日から金曜日にかけて放送されました(余談ですが、アメリカでは日本のように毎週アニメや特撮の30分番組を1話ずつ放送するスケジュールではありません)。
番組内容は、スーパー戦隊シリーズ第16作『恐竜戦隊ジュウレンジャー(1992)』をベースに、日本人の俳優さん達の出演シーンを、現地の俳優さん達の出演シーンに差し替え、戦隊ヒーローや巨大ロボットが登場する戦闘シーンは日本で撮影した映像を流用する形で、約25分ほどの番組として編成したものでした。
上記の内容で放送された本作は、アメリカで爆発的なヒットを巻き起こします。その状況は言葉どおりの「メガヒット」。ロサンゼルス地区のテレビ局では最高9.1%の視聴率をたたき出した上、アメリカ社会にも大きな影響を与えました。本作のあまりの人気にクリントン大統領夫妻が“Mighty Morphin Power Rangers”の出演俳優をホワイトハウスへ招待したほか、玩具を求めてショッピングモールに親達が殺到する現象も発生。品薄となった玩具の取り合いで客同士の喧嘩が起こり、警察が出動する騒動にまで発展したそうです(このパワーレンジャーの玩具が品切れした騒動を基に、1996年に公開されたアーノルド・シュワルツェネッガー主演の映画「ジングル・オール・ザ・ウェイ(Jingle All the Way)」が公開されました)。
その結果、「アメリカの歴史上、もっとも成功した子ども番組」と評されるまでに至ったパワーレンジャーですが、放送に至るまで日米文化の相違やアクション描写に対する規制などを乗り越えながら、大人気の中で放送が続いていきました。
その後、『Mighty Morphin Power Rangers(マイティ・モーフィン・パワーレンジャー)』は3シーズンの放映期間を経て、全155話に渡る放送を終了。以降は毎作シリーズを一新しながら、四半世紀以上に渡って放送が続いていくことになります。
【現在までのパワーレンジャーの動向は?】筆者体験!ハワイで巻き起こった特撮ヒーローブームの足跡とは?
さて、上述してきた『Mighty Morphin Power Rangers』放送終了後も、毎作新たなパワーレンジャーシリーズがアメリカで放送されていきました。放送に併せて、玩具や日用品の販売なども継続されていくことになります。
私事ですが、現在まで日本とハワイの二カ国での生活をしてきたため、パワーレンジャーをはじめ、ハワイで活躍した日本の特撮ヒーローとの思い出はいくつか記憶に残っています。そこでここからは、現地での私の体験談も交えながら、2025年現在までのハワイにおける日本の特撮ヒーローの活躍について、少しだけ辿ってみたいと思います。
実は、前章で述べた『Mighty Morphin Power Rangers(1993)』放送中の記憶ですが、幼すぎてあまり覚えてはいません。ただ米国版の特撮ヒーローは大好きで、『VRトルーパーズ』(米国版メタルヒーローシリーズ)のメタルダーのフィギュアでよく遊んでいたり、大型商業施設「アラモアナ・ショッピングセンター」内に当時あったおもちゃ屋さん(KB Toys)で『SUPERHUMAN SAMURAI SYBER-SQUAD』(米国版『電光超人グリッドマン』)の悪役であるカーンデジファーの人形を買ってもらったことは覚えています。
記憶が綺麗に繋がるのは2001年以降のことー。当時ハワイでは、大きな日本の特撮ヒーローブームが発生していました。その起爆剤になったのは、東映制作の特撮ヒーロー番組『人造人間キカイダー』の再放送でした。
1973年にハワイの日系チャンネル「KIKU-TV」にて放送されて大ヒットした『人造人間キカイダー』ですが、本作を視聴していた子ども達が大人になった2001年11月4日より、毎週日曜日の夜7時から8時までの時間帯にて、同チャンネルで再放送が開始された結果、2度目の大ブームが発生したのです。
子どもの頃にホノルルの街を歩いていて、ウクレレショーを眺めていたら突然『キカイダー』の主題歌の演奏が始まったり、「アラモアナ・ショッピングセンター」の1店舗(Shirokiya)が『キカイダー』や『仮面ライダーV3』などの日本の特撮ヒーローで染まっていた体験も現地ならで、今思えばキャラクターの『POP-UP SHOP』の先駆けだったのかもしれません。
そんなハワイでのキカイダーブームの一方、2002年に『パワーレンジャー』シリーズの放送権利がウォルト・ディズニー・カンパニーに移行するという大きなイベントが発生。
その結果、ディズニーが当シリーズの権利を別会社に譲渡するまで(2011年からは別会社による制作配給)、パワーレンジャーはミッキーマウスをはじめディズニーキャラクター達と肩を並べ、アメリカのディズニーパークのパレードに出演したり、ディズニーストアで玩具が発売されていた時期がありました(ウォルトディズニーワールド、及びディズニーストア店内の光景は権利の関係上掲載できません。ごめんなさい)。
米国のパワーレンジャーファンからは、いわゆる「ディズニーエラ(Disney Era)」と呼ばれている当時代。ケーブルテレビである「ディズニーチャンネル」が最盛期を迎え、私が10代のティーンエイジャーになった頃には、映画『ハイスクールミュージカル(HIGH SCHOOL MUSICAL)』やドラマ『ハンナ・モンタナ(HANNA MONTANA)』などが大ヒットしていた時代でした。
「アラモアナ・ショッピングセンター」内のディズニーストア(現在は閉店)の店内では、ディズニーチャンネル関連商品や、ディズニーキャラクターのぬいぐるみがたくさん並ぶ光景の一方で、『Power Rangers S.P.D(海外版『特捜戦隊デカレンジャー』)』や『Power Rangers Operation Overdrive(海外版『轟轟戦隊ボウケンジャー』)のフィギュアやゲーム機が並んでいるという、やや異様な空間だったのをよく覚えています(パワーレンジャーのDVDを再生したら予告映像の中にディズニーチャンネル映画の予告も入っていた!なんてこともあったものです)。
その後、パワーレンジャーシリーズの権利はディズニーから別会社へと移行。ハワイでも少しブランクを置いて、パワーレンジャーシリーズの新作放送が再開される運びとなりました。以降はシリーズを定期的に一新しながら続いてきた形となりますが、ホリデーシーズンにおける、クリスマスプレゼントの定番商品としてパワーレンジャーのおもちゃが選ばれる光景は変わりません。思い出としてよく覚えているのが、『POWER RANGERS DINO CHARGE(海外版『獣電戦隊キョウリュウジャー』)』。
先述した『Mighty Morphin Power Rangers(1993)』と同じく、恐竜がモチーフであった本作。ヒーロー、そしてヒーローと戦う恐竜達(獣電竜)、悪の幹部に怪人達、さらにヒーローのパワーアップ形態、加えてオリジナルの恐竜達・・といった具合に、とにかくフィギュアの数も多種多様で、お店も賑やかだった印象でした。
ヒーローも悪役もしっかりと商品化された『POWER RANGERS DINO CHARGE』ですが、ホリデーシーズン(クリスマス)直前にして、現地のスーパーマーケット「Walmart」店内の棚に全種整列していたフィギュアが、わずか1日で数種を残してほとんどなくなったりと、戦隊ヒーローのソフビ人形が5人揃って安定的に供給される日本のおもちゃ売り場の状況に対して、改めて「有り難み」を感じたものです。
(余談ですが、アメリカでの1店舗のおもちゃ売り場にてパワーレンジャー全員のフィギュアを揃えて購入できるのは、なかなか困難。しかもハワイは島国であるため、商品の入荷日の具体的な把握が難しく、ぶらりと店頭に行ってみたらいきなり商品と遭遇したこともよくあります。よって「イエローがない」、「ピンクがない」と複数のお店を梯子したこともしばしばです。通販や取り寄せという手段もありますが、翌日配送ではないため日本に戻るまで間に合わない状況に悩むことも・・)。
日本とハワイ、両国での自由な往来ができなかったコロナ禍ー。私もこの期間、やむを得ず渡米は叶わなかったのですが、当時は既にスマホ一つで国内外の映画やテレビ番組を楽しむことが出来る時代ー。海外でも、ネット動画配信サービスなどで日本のアニメ作品や特撮ヒーロー番組を楽しめる環境が整備されているため、ハワイにおいて日本のアニメや特撮作品は、配信、コミック、玩具と様々な形を通じて、急速に浸透しつつありました。
すっかり日米間の自由な往来が出来るようになった2024年以降になると、ハワイにおける日本のアニメや特撮を囲む環境は大きく変化。現地のスーパーでは日本のキャラクター商品を取り扱う大型ブースが設置されたり、日本でお馴染みのガチャガチャも、各大型商業施設に急速に浸透したりと、ハワイでも「推し活」ができる環境が、現在にかけて整備されつつあります。
そして2025年秋、『パワーレンジャー・コズミックフューリー(2023)』以降、子ども達に向けた新展開をお休みしていたパワーレンジャーシリーズですが、『Power Rangers Re-Ignition』の発表を機に、今日のハワイでのスーパーや商業施設にて、パワーレンジャーの新しいおもちゃが並ぶ光景がやっと戻ってきました。
この『Power Rangers Re-Ignition』は、約30年前に米国で放送されたシリーズ第1作『Mighty Morphin Power Rangers』の本編映像や音声をより鮮明に修正した、いわゆるアップデート版。「You Tube」のパワーレンジャー公式アカウント(外部リンク)をはじめ、米国内の動画配信サイトにて、本編映像やミニ動画などがこれまで発信されています。
先日、我が国では現在放送中の『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー(2025)』(外部リンク)の後番組として、2026年より東映制作の新たな特撮ヒーロー番組『超宇宙刑事ギャバン インフィニティ』(外部リンク)の放映が発表されました。
日本でのスーパー戦隊シリーズの放送がお休みを迎えてしまうのは、大好きだった故に寂しくも感じるのですが、「お疲れ様」という気持ちもあります。
しかし海外では、先述した『Power Rangers Re-Ignition』の配信開始に加え、「ディズニー+」配信に向けて新シリーズが企画中であること(外部リンク)など、お国柄や形は異なりますが、日本のスーパー戦隊シリーズを起点とする志は、海外でも生き続けており、戦隊ヒーロー達は今日も子ども達の傍で寄り添い続けています。
いつか日本や世界の人達の想いが結集して、新しいスーパー戦隊シリーズがよみがえることを心から願っていますー。
最後までご覧頂きまして、誠にありがとうございました。
(歴代パワーレンジャーシリーズを視聴するなら)
・東映特撮ファンクラブ(TTFC)(外部リンク)
(パワーレンジャーの世界をYou Tubeで楽しむなら)
・Power Rangers Official(外部リンク)
(参考文献 一覧)
・JUDY REVENSON・RAMIN ZAHED、”SABAN'S POWER RANGERS THE ULTIMATE VISUAL HISTORY”、INSIGHT EDUCATIONS
・丸澤滋(てれびくん編集部)、『愛蔵版 30大スーパー戦隊超全集』、小学館
・菅家洋也、「講談社シリーズMOOK スーパー戦隊シリーズMOOK スーパー戦隊 Official Mook 20世紀 1992 恐竜戦隊ジュウレンジャー」、株式会社講談社
・鈴木武幸、「夢(スーパーヒーロー)を追い続ける男」、株式会社講談社
・大下英治、「仮面ライダーから牙狼へ 渡邊亮徳・日本のキャラクタービジネスを築き上げた男」、株式会社竹書房
・長澤博文・今井智司(ノトーリアス)、「スーパー戦隊の常識 ド派手に行くぜ!レジェンド戦隊篇」、双葉社
・山下大樹・嶌田美智子(ノトーリアス)、「特撮ヒーローの常識 70年代篇」、双葉社
・坂本浩一、「映画監督坂本浩一全仕事」、株式会社カンゼン
・尾上克郎・三池敏夫、「平成25年度メディア芸術情報拠点・コンソーシアム構築事業 日本特撮の関する調査」、森ビル株式会社
(本記事でご紹介したハワイ州オアフ島内 観光地アクセス)
・Ala Moana Center
住所:1450 Ala Moana Boulevard, Honolulu, HI 96814
公式サイト:https://www.alamoanacenter.com/ja/(外部リンク)
※「BARNES&NOBLE BOOKSELLERS」は1Eエリアにあります。
・ドン・キホーテ(DonQuijote)カヘカ店
住所:801 Kaheka St., Honolulu, HI 96814
・International Market Place
住所:2330 Kalakaua Avenue Honolulu HI 96815
Web:https://shopinternationalmarketplace.com/(外部リンク)
・Waikele Premium Outlets
住所:94-790 Lumiaina St, Waipahu, HI 96797