少数者に寄り添える社会を トランスジェンダー女性の女子大入学
毎日新聞は昨年12月、全国の4年制女子大を対象にしたアンケート調査を基に、トランスジェンダー女性(トランス女性)の入学を認める女子大が増えている現状を報じました。記事を書いた竹林静記者は「多様な性のあり方を認めて門戸を広げる動きを歓迎したい」といいますが、報道後、大学の方針への根拠のない批判や言説も飛び交いました。性的少数者がどのようなことで生きづらさを感じ、それを少しでも解消するためにどんな社会が必要か? 竹林記者が考えます。
竹林静(社会部西部グループ)
増える受け入れ女子大
トランスジェンダーは、出生時の生物学的な性(男/女)と、自認する性(ジェンダーアイデンティティー)が一致しない人を指し、性的少数者の総称「LGBTQ」の一つとされる。トランス女性は、出生時の性は男性で、性自認は女性という人だ。
昨年7月、福岡市東区にある福岡女子大が2029年度からトランス女性の入学を認めると発表した。九州の女子大では初めてで、私は全国の状況を調べたいと思い、昨年秋に4年制の女子大60校を対象にアンケート調査をした。
その結果、20年度にお茶の水女子大(東京都)と奈良女子大(奈良県)がトランス女性の受け入れを開始したのを皮切りに、計6校が既に入学を認め、16校が受け入れを検討していることが分かった。
「共学に行けばいい」と批判
だが、この結果を紙面やウェブに掲載すると、交流サイト(SNS)で批判的な言説やデマが飛び交い、拡散された。当事者が目にした時の気持ちを想像すると、いたたまれない思いがした。
目立ったのは「トランス女性は共学に行けばいい」という主張だ。背景には、トランス女性の女子大への入学を認めれば、性自認が女性であるように装う「なりすまし」が現れるという懸念があるとみられる。しかし、実際には、受け入れを決めた大学側の多くが対策…
この記事は有料記事です。
残り1145文字(全文1919文字)