【速報】その時、現場で何が…消防隊員2人殉職“最期の記録”大阪・道頓堀ビル火災事故最終報告書「バックドラフト」が原因
去年8月、大阪・道頓堀のビルで消防隊員2人が死亡した火災で、大阪市消防局は30日、事故調査の最終報告書を公表し、爆発的な燃焼「バックドラフト」が起きたことで、2人が逃げ場を失い、窒息死したと結論づけました。80ページにわたる報告書には、刻一刻と状況が変化するなか対処する隊員らの「最期」が克明に記録されていました。(報告=福島達朗記者) 【動画】道頓堀ビル火災 消防隊員2人死亡・被害拡大の原因は?
■隊員「『ドーン』と鳴った直後、小隊長の姿見失った」
「10時13分、隊員が室内階段に向かおうと1、2歩進んだ際、『ドーン』という音とともに、室内階段の方向から赤いものが視界の片隅に映った。音が鳴った直後、隊員は小隊長の姿を見失い、呼びかけても応答がなかった」 亡くなった隊員2人とともに行動し、何とか自力で脱出した30代の男性隊員は、報告書の中で、当時の状況をこう振り返っていました。 火災は去年8月18日の午前9時45分ごろ、西日本最大の繁華街、大阪・ミナミの道頓堀川沿いにあるビル2棟で起きました。報告書や警察によると、火は西側ビルの1階外側にある室外機付近から出て、外壁に設置された屋外看板などをつたって上昇し、東側ビルの5階や6階に燃え移りました。この火災で消火活動にあたっていた小隊長の森貴志さん(当時55)と長友光成さん(同22)が殉職しました。
■出火原因は非公開…“不適合”屋外看板が燃焼拡大の要因&「バックドラフト」で隊員ら身動き取れず
出火原因は警察が捜査中のため「非公開」としていますが、調査では、ビルに設置された屋外看板に建築基準法で定められた「不燃材料」が使われていないことが判明。消防局が、実際にビルの屋外看板で使われていた「ターポリン(布などを塩化ビニールの合成樹脂で挟んだ素材)」などの材料と、不燃材料を比べる燃焼実験をした結果、実際に使われていた材料は、より火が高く上昇して燃焼も持続し、今回の火災が急速に燃え広がった原因となったことが明らかになりました。また、外壁に多数設置されていた室外機内部の潤滑油に引火し、火が拡大したこともわかりました。 西側ビルから東側ビルの5階の一室に燃え広がった火は、燃焼で酸素が消費され、火の勢いは一時、弱まっていました。しかし、亡くなった隊員らとは別の部隊が部屋のドアを開けたことで、一気に空気が入り込み、爆発的な燃焼「バックドラフト」が起きました。亡くなった隊員らは当時、上の6階にいましたが、黒い煙と熱気が室内階段を通じて5階から6階に一気に広がり、身動きが取れなくなったとしています。