【端末活用術】日本国債価格が急落、超長期債の一部は額面の50%割れ
日本の金融機関が国債価格の急落(金利は上昇)に直面している。低金利時代に発行された超長期国債7銘柄が、日本銀行の利上げや与野党の減税案を受け、額面価格の半分を下回る水準に下落。物価連動債(TIPS)は根強いインフレを示唆する一方、日本国債オプションは弱気な見通しを示している。
分析にはブルームバーグのGOVY機能、EQS機能、ILBE機能、VCA機能を使用した。
GOVY<GO>機能を使用して超長期の日本国債の損失規模を可視化
超長期の日本国債の損失規模を確認する方法は以下の通り:
- コマンドラインに「rates trader」と入力し、「GOVY」を選択
- 最初の検索欄を「日本」に設定し、グレーの「20+年」タブをクリック
- 「価格」列のヘッダーを右クリックし、「昇順に並べ替え」を選択。長期債7銘柄は額面の半分を下回る水準で取引されており、さらに20銘柄は60%を下回っている
- 「JGB 0 1/2 03/60」と「価格」の間にある数値を右クリックし、「GP」を選択
- 「データを追加」の検索欄に「boj rate」と入力し、「BOJDTR Index」を選択
- 「5年」をクリックして期間を設定クイック入力は「G #FFM 2503」
5年前に99.82円で発行された表面利率0.5%、2060年償還の日本国債は、現在40.6円で取引されている。年金基金や生命保険会社は、額面価格が低くなると債券売却による含み損の実現に消極的になることがあり、その結果、デュレーション(平均残存期間)の不一致や資金調達要請が発生した場合、保有資産を売却することが困難になる。
ブルームバーグ・エコノミクスの木村太郎日本担当シニアエコノミストは次のように述べている。「最近の日本国債市場の混乱は、超長期債という流動性が低く、脆弱(ぜいじゃく)なセグメントの機能不全を反映している。これらの債券は、流動性の低い環境で取引されており、生命保険会社など限られた機関投資家が取引の大半を占めている」
銀行による超長期国債の保有は限定的とみられるが、超低金利時代に購入した10年以下の年限の債券も含み損を抱えており、各行の対応が注目される。評価損を確認する方法は以下の通り:
このリストは、直近の年次開示資料に基づき、満期保有目的債券およびその他有価証券で未実現損失を報告した複数の銀行を示している
EQS機能を使用して、未実現損益のある日本の銀行をスクリーニング
- コマンドラインに「equity screening」と入力し、「EQS - 株式スクリーニング」を選択。クイック入力は「EQS」
- 「条件追加」欄に「topix banks」と入力し、「TOPIX銀行業指数」を選択
- 検索欄に「total deposits」と入力し、該当項目が「預金総額」「直近報告書」「無条件、表示のみ」を選択。グレーの[成長率]タブをクリック。「成長」および「2期間の成長率」がチェックされていることを確認。「次へ」ボタンをクリックしたら、「サンプリング頻度」を「四半期」、「周期タイプ」を「相対」、「分析対象期間」を「Q-4」から「Q」までにそれぞれ設定し、「更新」を押す。「条件なし、表示のみ」に設定。<GO>キーを押す
- 検索欄に「unrealized gain marketable」と入力し、「評価対象有価証券の未実現損益/注記(会社発表値)」を選択<GO>キーを押す
- 画面右下の[結果|WATC]ボタンをクリック
- 「分類」を「銘柄」に設定「評価対象有価証券の未実現損益/注記(会社発表値)」の項目ヘッダーをクリックして降順に並べ替える
このリストは、直近の年次報告書に基づき、満期保有目的債券およびその他有価証券に関して未実現損失を報告した多くの銀行を明らかにしている。このリストには、日本国債と社債の両方が含まれる。なお、ゆうちょ銀行は日本郵政を通じて政府が一部所有している点に留意。
「Gr PoP of 預金総額:Q」のヘッダー項目をクリックすると、総預金残高の伸びが鈍化している金融機関を確認できる。TOPIX銀行業指数は1月21日、ベンチマーク指数の中で最もパフォーマンスが悪く、3.2%下落した。
今回の日本国債利回りの急上昇は、日銀の利上げ路線や国債買い入れ縮小に伴う買い手不足が背景にある。高市早苗首相による衆院解散を受けた2月の総選挙に向けて、与野党が共に消費税減税を公約に掲げたことも財政悪化懸念による売りを加速させた。40年債利回りは20日に過去最高の4.215%を付けた。
TIPSの消費者物価上昇率に対するシグナルを評価する方法は以下の通り:
物価連動債市場では、3カ月前よりもインフレ率の加速が織り込まれており、10年物のブレークイーブンインフレ率は1.56%から1.98%に急上昇した。長期のインフレ連動債は短期物よりも動きが速く、インフレが構造的に高くなる可能性を示唆している。
ILBE<GO>機能を使用してブレークイーブンレートを確認
- コマンドラインに「breakeven japan」と入力し、「ILBE JPY-世界のブレーク・イーブン・インフレ率:日本」を選択
- 検索欄の「期間」を「3 Month % Change」に設定
物価連動債市場は、3カ月前よりも急速なインフレを織り込みつつあり、10年物のブレークイーブンレート(市場が推測する10年物の期待インフレ率)は1.56%から1.98%に急騰した。長期のインフレ連動債は短期物よりも動きが速く、インフレが構造的に高くなる可能性を示唆している。
10年分のブレークイーブンレートのチャートを示す方法は以下の通り:
ベンチマークとなるTIPS、日本国債は長期的なインフレおよび財政課題を示唆
- 「Japan Breakeven 10 Year」をクリックし、「GP」を選択
- 「データを追加」欄に「GJGB10Y Index」と入力して10年物日本国債利回りを追加し、次に「JNCPIYOY Index」と入力してCPIを追加
- 「標準化」のチェックマークを解除し、10年間の期間を設定。クイック入力は「G #FFM 2504」
CPIの変動が大きく高止まりする中、このチャートは投資家が長期の日本国債を保有するに当たり、より高いタームプレミアムを要求していることを示している。このうちどれほど財政リスクまたは流動性リスクを反映しているかを明確に示すことは困難だ。
日本国債の売り圧力を確認する方法は以下の通り:
10年物日本国債先物のインプライドボラティリティーは高水準にある
VCA<GO>機能を使用してグローバル債券先物のインプライドボラティリティーを確認
- コマンドラインに「volatility correlation」と入力し、「VCA-ボラティリティ&相関分析」を選択
- 左上にあるアンバーのボックスを「レート・債券先物」に設定
- グレーの[インプライドVol]タブをクリック
- 「満期」を1カ月、「期間」を「3年」に設定
レンジ欄は、日本国債の変動幅に対する予想が過去3年平均を上回っている一方、他の国ではいずれも平均を下回っていることを示している。PCTL欄は、10年物日本国債先物のインプライド・ボラティリティーが、3年平均値に対して91パーセンタイルに位置し、異例の高水準にあることを示している。これは、さらなる価格の下落を示唆していると考えられる。
ブルームバーグの各機能に関する詳細は、BHLをクリック。
— 取材協力 Taiga Uranaka, Keiko Tamura, Hidenori Yamanaka