ロシアのプーチン大統領は28日、首都モスクワでシリアのシャラア暫定大統領と会談した。両氏の対面会談は昨年10月に続いて2回目。両氏は2024年末の政権崩壊に伴いロシアに亡命したシリアのアサド前大統領の処遇や、ロシアがアサド前政権との合意に基づいてシリア国内に租借してきた軍事基地の扱いなどを協議したとみられる。
会談でプーチン氏は両国間の貿易が成長していると指摘。シリア暫定政権とクルド人主体の民兵組織の停戦が今月成立したことを踏まえ、ロシアはシリアの領土保全の回復を支持するとの立場を示した。一方で、アサド氏や露軍基地の扱いを念頭に「数多くの話すべきことがある」と述べた。
シャラア氏も「私たちには検討し、協議すべき議題が多い」と応じた。
ロシアは従来、シリアで西部タルトスの軍港と北西部ヘメイミームの空軍基地を租借。ロシアは両基地の租借を続け、地中海地域での軍事的影響力を維持したい構えだ。これに対し、シリア暫定政権は戦争犯罪者としてアサド氏の身柄引き渡しをロシアに求めているとされる。ただ、ロシアが応じる可能性は低い。
ロイター通信は今月26日、シリア消息筋の話として、ロシアが両基地とは別に軍を配置していたシリア北東部の空港から撤兵を始めたと報じた。アサド氏の身柄引き渡しを避けつつ、両基地の租借を維持したいロシアのシリア暫定政権への懐柔策である可能性がある。(小野田雄一)