#和紅茶30daysチャレンジ2026 ――5度目の30daysチャレンジ開催にあたり
早いもので「#和紅茶30daysチャレンジ」も今年で5回目。
過去4回にわたり企画・運営を担当してきましたが、今年はTea time loversさんが引き継いでくださるということで、思うところなどを少し書かせていただきます。
こちらは読まなくてもチャレンジには参加できますので、どうぞお時間のある方、ご興味のある方だけ読んでみてください。
(少しのはずがめっちゃ長くなった。本当に読まなくてもだいじょぶですよ!)
#和紅茶30daysチャレンジ、一年に一度の開催なので、第一回は2022年4月。
まだなんとなく、コロナウイルスの影が残っている頃でした。
発端は、音声だけで繋がるSNS・Clubhouseで開催した「Clubhouse和紅茶祭り」。当時のClubhouseでは12時間連続茶会とか、6夜連続のオンライン和紅茶飲み比べ会とか、なかなか尖った企画を実験的にやりたい放題。外で人と会うことが難しいなか、ゆるくお茶でつながるコミュニティでした。集まった人全員で井村さんのももかを飲んで語るとか、和紅茶の「飲んでおきたい品種ビンゴ」作っちゃおう、とか(なつかしのビンゴ。この辺で見られます)。
日本茶・和紅茶に限らず、あらゆるお茶を語り合うクラブだったのですが、やはりそのころ、世間でも和紅茶の注目度がどんどん上がっていき、美味しい紅茶の情報交換も盛んに。自然と、和紅茶の企画は多めでした。コミュニティを運営していたわたしが、日本の紅茶にすごくはまっていた、ということもあったのですが。
そんななか、22年3月の「Clubhouse和紅茶祭り」は二日間にわたって計12時間。生産者さんインタビューとして岩永製茶園・門内智子さんや釜炒り茶柴本の柴本俊史さんにお話を聞いたり、レインブラントティー森本さんのオンライン講座があったり。集まった参加者がひとつずつおすすめ和紅茶を紹介していくなど、2日間延々和紅茶を語り続ける、飲み続ける、和紅茶の話を聞き続ける、という頓狂なイベントでした。
その前の年、21年に開催した「Clubhouse12時間茶会」では、12時間のうち和紅茶の時間は1時間だけでしたから、和紅茶祭りはなかなか大胆な試みだったわけです。
そんなイベントで「次は30日間、ぶっ続けで和紅茶を飲みましょう」と提案したのが「#和紅茶30daysチャレンジ」のはじまりでした。もうClubhouseを飛び出して、あらゆるSNSユーザーを巻き込んでしまおう、と。
最初はClubhouseのメンバーも、「30日連続!?」「はあ?」みたい反応です。「またこの人、変なこと言い出したよ……」みたいな! 当時の様子はリプレイが残っていますので、よかったら聴いてみてください。Clubhouseのリプレイは、後から聞き直すとなかなか面白いのです。
「30daysチャレンジ」という試み自体は、だいぶ前からSNSのいろいろな界隈で流行っていたものです。ダイエット30Daysとか、推し活30daysとか。
わたしはある歌舞伎のコミュニティにて、コロナ真っ只中で誰もが劇場が恋しかったころ、「歌舞伎30daysチャレンジ」を企画したことがありました。参加者は、30人くらいかな。小さな場でしたが、一日一日テーマを決めて、みんなでテキストで歌舞伎愛を語り合って、今までにない一か月を過ごしたことがあったのです。他には美術鑑賞仲間と30daysなど、いろいろやってきたのでした。
それをお茶でもできないかなあ……と。
最初に考えた企画は、緑茶、紅茶、中国茶……といろいろなお茶の横断30daysでした。これは実現には至らなかったのですが、30テーマを「和紅茶」だけに絞ってみたら、絶対盛り上がりそうだな、と。
しかしClubhouseと違って、TwitterやInstagramのような大きなSNSで何かを始めるには、なにがしかの影響力が必要です。当時はわたしは、今よりずっとフォローしてくださる方の数も少なかったので、いきなり「ハッシュタグ作りました」「30日間ごいっしょに!」とかいっても、難しい。
でもそこで、Clubhouseのみなさんが乗っかってくれて、率先して盛り上げてくれたのです。
Clubhouse仲間、中でも長くTwitterやInstagramをされてる方がたくさん、30daysに参加してくれたり、話題にしてくれたりしたことが、大きかった。
「あの人が参加してるなら」と、Clubhouseを知らないみなさんも、「やってみようかな」と思ってくれる。
そんなふうに始まってみたら、初回から参加者総数73名、完走者数33名。なかなかの滑り出しでした。翌22年は参加者総数が100名、完走者数は50名。もうClubhouseが始まりであることを知る方も少ないと思いますが、それこそが狙いでした。
さて、30日間毎日和紅茶を投稿なんて、ハードル高い? と思うじゃないですか。
「すごいスパルタ企画!」という声もあります。
でも、すでにいっぱい和紅茶を飲んでる、知ってる方にとっては、お題があることで毎日選ぶ楽しさがありました。国産の紅茶を投稿、というだけで一つの大きな縛りですが、「べにふうきといえばこれだよね」「九州の和紅茶なら、この茶園を紹介したい」って、毎日いっせいに、同じテーマでみんなで挙げていくのも、楽しい。
自分のとっておきの和紅茶をハッシュタグを見たみなさんと共有できますし、他の人の飲むお茶を知ることもできる。
もちろん連日の投稿は、結構大変です。「30日? それどころか、一年を通して毎日和紅茶飲んでますよ」という方でも、お題に沿ってコツコツ投稿するのは、ほんの少しの文章でもなかなかパワーがいります。これまで毎年参加、完走してくださったみなさんには、本当に感謝です。
とはいえ、初めての方も、これから和紅茶と仲良くなりたい方も「大変そうだよね……」と思わず、気軽に参加してみてください。「完走」はめざしても、めざさなくても良いのです。ハッシュタグをつけていれば、和紅茶に興味のある誰かが見つけて、あなたのすすめたい紅茶にも出会うかもしれない。「このテーマで同じお茶飲みましたね!」って知らない方と盛り上がるかもしれない。以前は「ハーフチャレンジ」として15日目にいったんハーフゴールを設けた年もありました。ハーフまで行かなくても「『和紅茶で日本縦断』だけやってみよ!」など、「カテゴリ完走」を目指すのもいいかな。もちろん30テーマから参加しやすいテーマだけを選んで参加も、ぜひ。
とにかく1回目2回目……と、たくさんの方が参加してくださったことが、ほんとうにうれしくて。
言い出しっぺのわたしが、たぶん一番30daysチャレンジを楽しんでいたんじゃないかな、と思います。
だってわたし自身が、「みんな緑茶品種はどんな紅茶を飲んでるんだろ?」「どのお店で和紅茶買ってるのかな」と、知りたいことばかりをお題にしたわけですから。和紅茶をどう楽しむか? その疑問、しかも30もの疑問に、みなさんが答えてくれる! あまりの楽しさに、期間中は毎年、24時間SNSに張り付いていたほどでした。
毎日のお題の趣旨を説明して、コメントして、リツイートして。「それはもうSNS中毒ですよ!」って笑われましたが、でも知りたいことを知る、和紅茶にもっと近づく。漫然とタイムラインを眺めるのではなく、目的をもってSNSに潜っていくことで、すごく濃い一か月になっていたと思います。
知らなかったおすすめの生産者さんを見つけて、知らなかった品種の紅茶を飲んでみて、知らなかった淹れ方を試して……。知らないことだらけでしたから、それはそれは楽しかった。
2度目の23年1月には、ほら、チラシまで作っちゃいました!
見てください、このすてきなデザインとうるわしい写真。張り切って、両面印刷までして配ったりしたのです。
また生産者さんや販売店さんなどのご協力もあって、3回目までは毎回たくさんの「完走ごほうび」もご提供いただきました。どこのお茶が当たるのかな、と、完走した方にはもうひとつ楽しみが待っている! こちらもほんとうにありがとうございました(何十名の完走者の方と提供者様を繋ぐことが大変すぎて、4回目からプレゼントは休止しています。ごめんなさいー)。
わたしがやりたいだけの、わたしの自己満足みたいな企画かな、と思っていたのですが、いつの間にかいろいろな方に愛されたイベントになったようです。
生産者さんは、やっぱり自分の作ったどの紅茶が人気があるか、とても参考になるそうです。コンテストでは入賞しなかった紅茶、自分が気に入っていた紅茶を何人もの方に美味しいといわれると、やっぱりうれしい、と。
30days、思いのほか多くの生産者さんが見てくれています。さあ、ここぞとばかりに愛を叫びましょう!
また、忙しくて、あるいはSNS投稿の習慣がなくて、参加はしていないけれど「どんな紅茶をみんなが飲んでいるか気になる」と、毎年チェックする方も多いと聞きました。
だからやっぱり、今年も30daysチャレンジは続けたいな、と思ったのです。
さすがに今年はしんどいかな……と。4年も続けたし、もうやめてもいいかな、と一時は考えました。
でも何人もの方が、これまで参加してくださった方も、参加していなかった方も、生産者さんも、お店の方も、「いい企画だから続けた方がいい」と言ってくださった。「毎年の変化も見たいよ」と。
確かにお茶は、農作物。毎年、シーズンごとに、出来具合も味わいも、傾向も違います。
特に和紅茶は、年ごとに人気の品種も、製法も、楽しまれ方もどんどん変化している。新しい産地も、新しく取り組まれた生産者さんも、新しいお店も、この4年間でどんどん登場してきました。
この熱気に満ちた「和紅茶の今」を愛好者の立ち位置からみんなで記録していくことには、意味がある。
一シーズンごとの記録として、この時代を後々振り返れたらいいな――そんな意図もあって、昨年も新しい年の紅茶が本格的に出てくる前に、2024年の紅茶が総括できる時期にやりたい、とぎりぎり6月に開催したのでした。
そう。#和紅茶30daysチャレンジでは、誰でも参加できると同時に、誰でも「参照する」ことができるのです。
ただ眺めているだけでもその年の人気の紅茶、美味しい紅茶はみつかりますが、ちょっと本腰を入れて分析や集計をしてみると、たとえば「5年間の人気品種の移り変わり」「ミルクティーとして好まれる紅茶の傾向の変遷」などまで、導き出すことは可能です。
そしてこのデータは誰にでも開かれていますし、誰でも利用できる。
地紅茶学会で30daysチャレンジの取り組みを発表した時には「そのデータ欲しいなあ」と言うお店の方もいらっしゃいましたし、実際、役に立っている、参考にしている、というプロの声も聞きました。「こんな紅茶が支持されているから扱いを大きくしよう」と。そうなれば、消費者も一緒に、みんなで和紅茶の潮流を作っていることになります。
わたし自身も『はじめての和紅茶ガイド』執筆において、紹介すべき品種の選定など、30daysのみなさんの投稿はとても参考になりました。逆に、今は誰も気づいていない品種、誰もまだ試していない製法などを探ることだってできます。
一度きっちり、毎年の人気品種ランキング、フレーバーティーの傾向、などの集計、やってみたいと思ってきたのですが(一度だけ集計をがんばった、登場品種ランキングなどはこちら)、なかなか。興味のある方はぜひ、分析や集計もしてみてください。
でもハッシュタグを追っているだけでも、流れや傾向が見えてくる、そんな和紅茶情報の宝庫に30daysチャレンジがなれたのは、たくさんの方が参加してくださったおかげかな、と思っています。
そうして、第5回も継続を決めた#和紅茶30daysチャレンジでしたが。
第4回、昨年は時間が無くて気合を入れて運営できず、今年はがんばるというお約束をしていたのですが。
どなたか運営を引き継いでくれる方がいたらいいな、と……。
そんなとき引き受けてくだったのが、Tea time loversさんです。
とてもお世話になっている方、『はじめての和紅茶ガイド』の執筆においても、その後も、ほんとうに力をいただいたある方が紹介してくださったTea time loversさん。お茶に興味を持ち始めたばかり、ということで、SNSにお茶アカウントもお持ちではなかった方です。むしろそういう方のほうが、今回はいいかもしれない。
「和紅茶のことをもっと知りたい」とおっしゃっていて、もしかしたらわたしから運営を引き継ぐことで、難しいこともあるかもしれない――それもわかって、引き受けてくださったのです。Tea time loversさん、そしてご紹介者の方のおかげで、#和紅茶30daysチャレンジの灯を絶やさずにすむことができた……ほんとうに感謝に堪えません。
Tea time loversさんはお仕事もお忙しく、ご自身のペースでゆったり自由に、運営していただければと思っています。拠点はInstagramのアカウントになります。
「本当に初心者ですから、みなさんの上に立つような者ではないので……参加者のみなさん中心のイベントにできたら」とのこと。お茶を何かの道具に使ったりしない、お茶で誰かの上に立とうとしない。そんな方に運営していただくことに、今回は特に意味があるんじゃないかな、と思っています。またこれまではどちらかといえばTwitter参加の方が多かったので、Instagramにももっと、和紅茶30daysの輪が広がっていったらいいな、と思っています。
そして#和紅茶30daysチャレンジは時期も長く、参加者も多く、かっこいいチラシなんか作っちゃたりしたので、どこかのお店か企業か団体が運営していると思った、とよく言われています。が、わたしもTea time loversさんも、あくまでも個人の運営です。わたし個人の楽しみと興味のために始めたもので、Tea time loversさんも同じ。特にどこの企業のご支援も受けず、どこの団体とのつながりもなく、利害関係も発生せず、全くの非営利イベントです。その点はぜひ、安心してご参加ください。
今年は30のお題を大きくチェンジできなかったことが心残りで、何度も参加してくださった方には「例年通りのお題だな」と感じる方もいらっしゃるかも? そんな方は、30のメインテーマをすっとばして、エクストラテーマから参加でもいいですね。
でもベーシックなお題が並んでいるので、初めて参加の方にはとっつきやすい30テーマになっています。
ぜひぜひ、ひとつずつのテーマでお茶を探すことを楽しみながら、毎日おいしい日本の紅茶を飲みながら、参加してみてください。完走したら、みなさんひとりひとりの和紅茶の世界が立ち上がっているはずです。
来年また続けることができたら、お題はちょっとドラスティックに変えてみようかな、などと考えています。
そしてですね、今年の#和紅茶30daysチャレンジ期間中(2月1日~3月10日)に、また別の和紅茶イベントも予定しているのです! 直接30daysチャレンジと連動しているわけではないのですが、こちらもたくさんの方のご協力で、動き出すことができそうです。ぜひ楽しみに、お待ちください。
では#和紅茶30daysチャレンジ2026、はじまりますよ!
(基本的なルール解説や参加の仕方は、こちらをどうぞ)


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