高層ビルと一体の寺院、固定資産税めぐり逆転敗訴が確定 最高裁判決
寺院の正門にあたる「山門」と、ホテルなど商業施設が一体となった高層ビルとして注目された大阪市の寺院「南御堂(みなみみどう)(真宗大谷派難波別院)」が、ビルの参道部分の土地に課された固定資産税などの取り消しを求めた訴訟があり、最高裁第二小法廷(高須順一裁判長)は26日の判決で、「課税は適法」と判断した。約480万円の課税処分を取り消した二審・大阪高裁判決を破棄した。
寺院側の逆転敗訴が確定した。裁判官4人のうち3人の多数意見。
地方税法は、参道など宗教法人が本来の目的のみに使う「境内地」は非課税とする。問題の土地は、地上17階のうち1~3階部分にある開口部(高さ約13メートル、幅約21メートル)。大阪市が課税したところ、寺院側は「境内地」だとし課税はおかしいと訴えた。
一審・大阪地裁は土地について、商業施設と一体化しており課税対象の「収益事業用地」にあたると認め、寺院側の請求を棄却した。しかし、二審・大阪高裁は「商業施設とは異質の空間だ」として「境内地」と判断し、課税処分を取り消した。これに対し、大阪市が高裁判決を不服として最高裁に上告していた。
第二小法廷は判決で、問題の土地には参道部分の上に商業施設があり、参道以外の用途にも使われていたと指摘。「境内地」とは言えず、課税対象とするのは適法だと判断した。
弁護士出身の高須裁判官は反対意見で、多数意見の解釈について「いたずらに非課税の余地を狭める点で妥当性を欠く」と反論。参道部分は非課税として、商業施設の部分は課税するのが合理的だと指摘し、課税の範囲を改めて検討させるため「高裁に審理を差し戻すべきだ」と述べた。