「新習慣は21日で身につく」は本当か?科学が示す「自動操縦」へ最短でたどり着く方法
習慣が「自動化」するまでには数カ月必要
では、本当の意味で「考えなくても体が動く」状態になるには、実際どれくらいかかるのでしょうか。 ロンドン大学(UCL)のフィリッパ・ラリー博士らが2009年に発表した習慣形成の研究(※)では、参加者に「昼食にフルーツを食べる」といった簡単な習慣を選んでもらい、12週間にわたって調査を行いました。 その結果、数週間で自動化した人もいれば、12週間経っても定着しなかった人も。 この研究により、習慣が自動化するまでには、平均で66日。最短で18日、長い場合には254日(約8カ月)以上と幅があることが明らかになりました。しかも、この計算モデルが当てはまるのは参加者の約75%に過ぎない、という結果でした。 あまりに幅がありすぎて、少し拍子抜けしてしまうかもしれません。しかも、残りの25%の人たちが最終的に「無意識」の域にたどり着けたのかどうかは、結局分からずじまいなのです。 また、当然のことながら習慣の「難易度」も大きく影響します。「水を一杯飲む」といった手軽なものならすぐに定着しますが、「腹筋を50回する」といったハードで少し面倒なことになると、自動化へのハードルはぐんと上がります。 また、2012年のレビュー記事ではこんな興味深い指摘もあります。 記事によると、新しい習慣が「自動化」するまでには、少なくとも10週間はかかると考えておくのが妥当であり、同時に、続ければ続けるほど楽になっていくという性質を知っておくことも、大きな助けになるということ。 「21日で身につく」と期待しすぎると、できなかった時に自分を責めて挫折しがち。それよりも、最初の2〜3カ月は「意識して頑張る時期だ」とはなから割り切っておく方が、結果として習慣は定着しやすくなるのです。
習慣を早く身につける方法
習慣を早く定着させるには、期間で区切るのが一つの手。「まずは1週間続けてから見直す」と決めたり、新しい化粧水を「ボトルが空になるまで毎日使う」とルール化したりする方法です。 一方で、習慣化を「カレンダーの日数」ではなく、心理的な「段階(ステージ)」で捉える考え方もあります。 たとえば、新しい行動をどう取り入れるか考える「熟考期」。そして、道具をそろえたり一度体験してみたりする「準備期」です。ランニングシューズを買う、試しに1回だけフィットネス教室に行ってみる、といった行動がこれにあたります。 思うようにいかないこともありますが、戦略的に取り組めば、予想より早く習慣を定着させることは可能です。意識的に「新しい習慣」と向き合うことで、その後の「維持期」でも挫折しにくい、強固な土台を築けるようになります。