「新習慣は21日で身につく」は本当か?科学が示す「自動操縦」へ最短でたどり着く方法
「新しい習慣を身につけるには21日かかる」という説を、一度は耳にしたことがあるかもしれません。 ルーティン化して「自動操縦」で楽になりたい──。それは誰もが抱く理想ですが、現実はそれほど単純ではありません。 実際のところ、習慣が定着するまでの期間は、内容や個人の資質、そしてどんな戦略をとるかによって大きく変わります。 科学的な知見によれば、早ければ21日、長い場合には8カ月以上かかるというデータも。 なぜこれほどの差が出るのか。そしてどうすれば最短ルートで習慣を自分のものにできるのか。そのヒントを探ってみましょう。
「21日説」の意外すぎるルーツ
じつは、この「21日かかる」という考えは、形成外科医のマクスウェル・マルツ氏が提唱したもの。彼は、整形手術を受けた患者などが新しい自分の姿に慣れるまでにおよそ3週間かかることに気づきました。 「自分自身のイメージ」を書き換えるのに21日かかる……これはあくまで一人の医師の直感に過ぎなかったのですが、私たちの経験則に妙にしっくりきたため、世の中に広まったようです。 私自身の経験でも、小さな手術のあとに痛みや腫れが引き、「手術したこと」を意識しなくなるまでには、確かに2〜3週間ほどかかりました。 たとえば、朝一番に運動するために早起きをしたいと考えたとしましょう。もちろん、たった1回なら誰だってできます。でも、それを「習慣」にするにはどうすればいいのでしょうか。 もともと朝型ではなかった私がその状況に直面したとき、自分にあるルールを課しました。 それは、計画に対して文句を言ったり調整したりする前に、まずは丸1週間、「毎朝6時に起床して平日5日間続ける」こと。 週末に休みがあることを励みに乗り切ると、不思議なことに2週目はぐっと楽になりました。そして3週目が終わる頃には、それが私の「新しい日常」になっていたのです。結局、その後1年以上もその習慣を継続できました。 21日間という「お試し期間」が持つ本当の価値 21日の法則に科学的根拠がないとしても、新しい習慣を「試運転」するには絶好の期間です。なぜなら、1日だけなら単なる「まぐれ」で終わってしまう可能性があるから。 1〜2週間という期間も、私たちはこれまでの人生で何度も経験しています。旅行や、締め切り前の修羅場など、一時的な生活の変化なら、その程度の期間はなんとか乗り切れてしまうもの。 しかし、3週間、あるいは丸1カ月経つ頃には、その新しい習慣について、そしてそれが自分の生活にどう馴染むのかについて、何かしら掴めているはずです。 どんなに単純そうに見える習慣も、じつはそれほど簡単ではありません。ほぼすべての習慣において、それを作り上げるプロセスとは、いくつもの「細かなスキル」を学び、練習し、身につけていく過程そのものだから。 つまり21日という節目には、すでにその行動を何度も反復しています。重要なのは、週末などの「中断や邪魔」を何度か経験し、そのたびに元の軌道に戻ってきた、という実績。 「これが現実の日常だ」と実感するのに、21日間は絶妙な目安になります。ただし、それでゴールというわけではありません。