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幼い頃、ロシアを憎む極右の思想教育を受けた少年。19歳の若さで戦場にてその生涯を閉じる。 ◆武力による政権転覆 2014年、ウクライナは極右勢力が主導する暴力革命によって、選挙で国民から選ばれた親露派政権は転覆し、国家が乗っ取られた。 極右勢力は内務省を乗っ取り、行政権と国家予算を背景に、ロシア人を憎む極右思想を自国民に植え付けていった。 ◆極右による思想教育 思想教育の一環として2015年から始まったのが、国家愛国キャンプ「アゾヴェッツ」 ネオナチ組織アゾフ連隊の初代司令官アンドレイ・ベレツキーの主導によって、ウクライナ全土やヨーロッパのさまざまな都市から9歳から17歳までの子供たちを集め、そこで軍事訓練や思想教育を行い、ロシア人を敵視する極右思想のエリートを育てていった。 暴力革命の立役者である極右政党はその暴力性と腐敗によって、国民からの支持は失われ、国会からは追い出されたが、それでもなお、暴力を背景にして一度手に入れた社会的影響力を離さなかったし、若者を中心にどんどん拡張していった。 ◆和平の邪魔をする極右勢力 革命が起こった2014年、ウクライナの東部地域は独立を選んだ。 極右勢力に乗っ取られたウクライナを捨てて、経済的文化的に結びつきの強いロシアと手を組もうとし、内戦が起こった。 泥沼の内戦の中やっと結んだ和平合意。しかしそれも、政府の停戦命令を無視して戦闘を継続しようとする双方の極右勢力の暴発によって邪魔され続け、最終的にウクライナ側から破棄する形になった。 そして2022年、ロシアはウクライナに侵攻した。 「アゾヴェッツ」で訓練を受けていた子供はやがて大きくなり、ロシアとの戦争に駆り出され、そして19歳の若さで亡くなった。 ウクライナに生まれ、幼い頃から国内の極右勢力に振り回された生涯。極右思想に染まった彼からすればもしかしたら望み通りの生き方だったのかもしれないが、子供の頃の「アゾヴェッツ」での映像と、個人では抗うことの難しいその敷かれたレール通りの生涯を見てしまうと、何とも言えない複雑な気持ちになる。
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