“高値で現金一括”に目がくらみ…中国人に土地を売った人の苦悩。近隣住民からの相次ぐ苦情、「売ったことが知れれば裏切り者扱い」
東京から好アクセスのリゾート地も標的!
山梨県・石和温泉も、東京駅から特急で2時間弱の好アクセスを背景に、熱海と並ぶ人気温泉地として栄えた。しかし、バブルが崩壊すると、60軒以上あった組合加盟の旅館は32軒へ半減。溝渕和正さん(仮名・59歳)も、経営する旅館と里山に広がる敷地を売却した一人だ。 「コロナで売り上げが落ち、資金繰りが一気に厳しくなったところに、ボイラーと屋根の修繕で数千万円単位の出費が必要になった。売るか、潰すかの二択を迫られたんです」 不動産業者に相談すると、すぐに反応があった。所有する土地は約700㎡。相場は7000万円ほどだったが、建物込みで2億円という提示だった。 「金額を見た瞬間、目の前が明るくなりました。しかも、支払いは現金一括。当時は預金通帳の残高が日々減っていき、家族が崩壊する寸前。買い手の国籍なんて気にしていられなかった」 相場を大幅に上回る金銭を手にした溝渕さんだが、思わぬ事態に直面する。 「生まれ育った土地にいられなくなった……。石和では中国人による旅館の買収が続いて、住民から反感を買っており、売ったことが知れれば裏切り者扱い。商売人同士は噂が早く広まるし、誰かに何か言われる前にこちらから関係を断ち、家族で引っ越しました。もう故郷には戻れないし、親戚とも絶縁状態です」
「旅館の売り手も買い手も中国人」というケースまで…
笛吹市議で不動産業を営む樋口滝人氏は、生々しい現地の状況を明かした。 「旅行業界が大打撃を受けたコロナ禍以降、急速に買収が進み、現在、石和温泉の旅館組合に加盟する32軒のうち、13軒が中国人に買収された。その結果、日本人従業員が大量に減らされたり、地域経済への影響も出ている。東京からアクセスがいいわりに不動産が割安だから、中国人には買い得なんでしょう。買った土地に建てられたメガソーラーや産廃用ヤードに囲まれてしまった畑も珍しくない」 取材を進めると、旅館の売り手も買い手も中国人というケースさえあった。中国人が買収した旅館では、従業員も客も中国人で完結する“閉じたビジネスモデル”が成立している。こうした異変が、前出の伊豆など全国のリゾート地で起きているのだ。実際、中国の不動産サイトは、「伊豆」「軽井沢」「富士山麓」などのリゾートや旅館の売り物件情報で溢れている。