ITフリーランス約4割「年間1000万円稼ぐのは余裕」 でも、欲しいのは「疲れない体」 民間調査
「毎朝、満員電車に押し込まれることなく、自分のペースで仕事ができるので、会社を辞めて正解でした」 【ランキング】大手企業の平均年収ランキング・上位199社を一挙公開! そう語るのは、都内在住の33歳のシステムエンジニア(SE)の男性だ。新卒から8年間勤務していたウェブメディアの会社を退職し、現在はフリーランスとして働いている。 「仕事内容に不満はありませんでしたが、昇給が年に1回しかないのが嫌だったんです。学生時代は飲食店でアルバイトをしていたのですが、シフトをたくさん入れればその分だけ給料が増えた。働けば働くほど見返りがある働き方のほうが、自分には合っているようです。土日も休まず働いているので、来年には売り上げ1000万円も夢ではありません」(男性) この男性のように、近年は会社員以上に働いて高収入を得るフリーランスエンジニアが増えているという。 ■単価90万円以上 フリーランスプロ人材マッチングの「ITプロパートナーズ」や、フリーランスエンジニア向けポータルサイト「フリーランスジョブ」を運営する株式会社Hajimariは昨年12月、ITフリーランス600人を対象に「ITフリーランスに聞く究極の二択調査(https://freelance-job.com/contents/news/research/1215)」を実施し、働き方や意識について尋ねた。 この調査によると、「年収1000万円は余裕で稼げると思うか」という問いに対し、「余裕で稼げると思う」と回答した人は227人(37.8%)にのぼった。 「高いスキルを持つフリーランスエンジニアの案件単価は上昇傾向にあり、弊社が紹介する案件でも月単価90万円以上のものも珍しくありません。月単価90万円×12カ月で、年間の売り上げは1080万円となります」
そう話すのは、調査を実施したHajimariの広報担当の和田瑞季さん。 国税庁の「民間給与実態統計調査(2024年分)」によると、給与所得者の平均給与は478万円であり、それと比較するとITフリーランスは「稼げる」仕事に見える。 しかし、フリーランスの売り上げ1000万円は、会社員の年収1000万円とは意味が大きく異なる。前出の男性はこう語る。 「会社員時代、当たり前だった社会保険料の会社負担や有給休暇、さらにはボーナスや退職金がないのは痛いですね。まあ、以前勤めていた会社もベンチャーだったので、退職金が出たかどうかは微妙なところですが……。フリーランスになって手取りは会社員時代を大きく上回りました。ただ、経費の立て替えをしれくれることもいなければ、諸々の税金もすべて自分で支払わなければならないので、お金が貯まっている実感はありません」 ■「体が資本」 会社員には年次有給休暇があり、休暇を取得しても賃金が支払われるため、休んでも収入が減らない。一方、フリーランスは休めば収入減に直結する。こうしたことから、一般的に「フリーランスは会社員の年収の1.5~2倍は稼がないと成り立たない」と言われることも多い。フリーランスの売り上げ1000万円は、経費や税・社会保険料を差し引く前の金額であり、もしかしたら会社員の平均給与と大きな差がないといえるかもしれない。 こうしたなか、最新のAIスキルより「疲れない体」が欲しいと回答する人が多かったという。「最新のAIスキルを常に身につけていたい」と「どれだけ働いても疲れない体が欲しい」のどちらが魅力的かという問いでは、前者が211人(35.2%)、後者が389人(64.8%)という結果になった。 「これは意外な結果でした。今の時代背景を踏まえると『AIを使いこなせれば、体力に頼らずともやっていける』と考える人が多いのではないかと予想していました。しかし、実際には『体が資本』と考えている方が多かったようです」(和田さん)