日本政府観光局が21日発表した2025年1~12月の訪日外国人数(推計値)は、前年同期比15・88%増の4268万3600人となった。4千万人を突破したのは初めて。この勢いは続くか。
25年の累計では、100万人を超える国・地域で韓国945万9600人(前年比7・3%増)、中国909万6300人(30・3%増)、台湾676万3400人(11・9%増)、米国330万6800人(21・4%増)、香港251万7300人(6・2%減)、タイ123万3100人(7・3%増)、オーストラリア105万8300人(15・0%増)となっている。
12月だけを見れば、中国は33万400人(45・3%減)。11月は前年同月比で若干プラスになっていたが、大幅に減少した。これは、日中関係の悪化を背景に、11月14日に中国政府(外務省)が自国民に対して日本への渡航を控えるよう呼びかけた、いわゆる渡航自粛要請の影響だ。
しかし、その他の国・地域が大きく伸びたので、結果として中国の減少を補い、12月だけを見ても、361万7700人と前年同月比3・7%増となっている。
観光局が提供している03年1月からの訪日外国人数を見ると、為替に関係している。コロナ期の入国制限があった期間を除くと、訪日外国人数とドル/円の為替には0・7程度の相関係数がある。円安が10円進めば年間ベースで360万人程度の訪日外国人数が増える。もちろん、月ごとの傾向には季節要因があるが、それを無視しても、高い相関がある。身もふたもないが、観光庁が各種の施策を行うより、円安が訪日外客数増加に寄与する。
26年の動向について、中国・香港からの訪日観光客の減少分は、他国からの訪日増加や日本人の国内旅行増加によって部分的に穴埋めされるだろう。円安水準を考えると、日本人が積極的に海外旅行するのは考えにくいので、国内旅行に回帰するのではないか。ただ、円安がこれ以上進む可能性はあまりなく、他国からの訪日は高水準であるが伸びはそれほど期待できない。
中国からの観光客は団体を中心として減少するが、オーバーツーリズム問題から考えるとむしろ歓迎だ。筆者は、既に退職した身であり、平日は旅行ざんまいである。その肌感覚でも、中国人の減少は他国からの旅行客で代替されている。一定のにぎわいはあるが総数は頭打ちだ。
(たかはし・よういち=嘉悦大教授)