陸自性暴力、五ノ井さんが国や元隊員と和解「終わりでなくスタート」

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伊木緑
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 陸上自衛隊性暴力を受けた元自衛官の五ノ井里奈さん(26)が、元自衛官5人と国に損害賠償を求めた訴訟で、上司だった元自衛官1人、国との和解が26日、横浜地裁で成立した。五ノ井さんの代理人弁護士によると、国が安全配慮義務違反などを認め、160万円を支払う。元自衛官からは謝罪や賠償金の支払いはないという。

 2022年に実名で被害を告発してから3年半。刑事、民事ともに裁判での戦いが終結した。和解を受け、五ノ井さんは26日に東京都内で会見し、「これは終わりではなく、ようやく自分の人生を自分の足で歩き出すためのスタートだと思っています」と話した。

「自分の人生も前に進みたい」

 この日に和解した元自衛官は、自身の非を認めないまま謝罪を申し出たことから、五ノ井さん側が「それでは意味がない」と謝罪を受け入れなかったという。

 判決に委ねる選択肢もあったが、刑事裁判では事実認定されていることや、国が民事訴訟で責任を認めたことに加え、「このまま判決が出るまで戦っても、日本社会にとって、自分自身にとって、どんなプラスがあるだろうと考えた。最後まで戦うのが正解とは思えなかった。いい社会にするために行動した方がいいと判断した。自分の人生も前に進みたいという思いもあった」と、和解を選んだ理由を明かした。

 会見で五ノ井さんは、性被害などに遭った人をサポートしたり、講演活動などを通じて性暴力防止を啓発したりするための団体を、今月設立したことを報告。「ひとりで抱え込まなくていい。そう思える場所を社会の中で作っていきたい」と話した。

告発が防衛省や世論を動かす

 宮城県出身の五ノ井さんは小…

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この記事を書いた人
伊木緑
東京社会部
専門・関心分野
ジェンダー、メディア、スポーツ