朝日放送テレビで23日に放送された「探偵!ナイトスクープ」の内容を巡り、出演した視聴者に交流サイト(SNS)上で批判が殺到し、同局は25日、「強い批判や誹謗(ひぼう)中傷が広がっている状況を重く受け止めている」などとする声明を発表、動画配信サイトでの配信も停止した。日常的に家事を担う小学6年生の児童からの依頼に応える内容で、「育児放棄では」「ヤングケアラーを強いられている」といった批判が起きていた。
同番組は「探偵」役の芸人らが、視聴者からの依頼に基づき謎を調査したりリクエストに応えたりするバラエティー。23日の放送では、共働きの両親に代わり、弟・妹の世話や家事を手伝う6人きょうだいの長男からの「1日だけ長男を代わって」という依頼が取り上げられた。お笑いコンビ「霜降り明星」のせいやさんが家族の元を訪れ、長男の代わりに食事の準備や洗濯などをしながら、子どもたちと一緒に一日を過ごす様子を放映。長男が友達と遊びたいと漏らしたり、せいやさんが「まだ大人になるなよ」と声をかけたりする場面もあった。
放送前の告知段階からSNS上には「ヤングケアラーに当たるのでは」と懸念の声が上がったが、放送後さらに膨らんで父母に向けた中傷があふれ、「児童相談所に通報を」と呼びかける書き込みもあった。
事態を受け、同局は25日に番組ホームページで中傷を控えるよう要望。広報担当者は毎日新聞の取材に、「毎回放送にあたって議論はしているが、今回結果として、出演していただいた方に誹謗中傷が向かってしまっている事態を大変重く受け止めている」とした。
専門家「編集の仕方でできることも」
影山貴彦・同志社女子大教授(メディアエンターテインメント論)は「ナイトスクープなりに笑いにまぶして、男の子にエールを送ろうとしたというところは共感できる」とした上で、「実際に放送を見る人だけでなく(SNSなどの)活字で拡散していく今の時代の難しさを露呈したところがあったし、編集の仕方やスタジオ出演者の反応などで(炎上につながらないよう)もう少しできることがあったと思う」と話した。
子どもの支援に取り組む社会福祉士の幸重忠孝さんは「一般的に特にヤングケアラーの場合、子どもの顔や名前を出すことには慎重であるべきだ」と指摘。家族への中傷が広がっていることについては、「中傷や児相への通報を先導することは、誰を救うことにもならない」と述べた。【小林杏花】