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Conversation

昭和49年に源田実参議院議員が、皇室の尊厳維持に関して、皇室への名誉毀損や侮辱に対して内閣は告訴権を行使しないのかとの質問趣意書を出している。これに対し、時の三木武夫首相は、かえって皇室に迷惑が及ぶ、そのうち泡沫のように消え去るから放っておくのが良策、といった答弁をしている。 それから50年以上が経ちネットやSNSが普及するなど皇室を取り巻く社会環境が変わたにも関わらず、政府・国会は皇室の尊厳をお護りする為の対策を講じて来なかった。その不作為責任は極めて大きい。 私は、内閣が皇室に代わる告訴権を持つ事が、それを実際に行使するかは別として皇室へのデマや誹謗中傷に対する抑止力になると思う。政府による悪用の危険があるならば、国会議員からなる内閣委員会が刑事告訴する権限を付与するなどの方法もあり得るのではないだろうか。 皇室の尊厳維持に関する質問主意書   昭和四十九年十二月十六日 源田実          参議院議長 河野謙三 殿  最近の皇室侮辱文書の横行は、まことに目にあまるものがある。それが国民思想に及ぼす影響多大であることはいうまでもないが、同時にそれは、憲法第一条に定める「国および国民統合の象徴」たる天皇を公然と否定し、刑法上の罪を犯すものであり、法秩序の維持の問題としても、到底黙視し得ない。  而して、それらの文書、言論は当然、刑法二三〇条ないし二三一条の罪に該当するものと確信されるところから、かねて多数の国民からその唯一の告訴権者たる内閣総理大臣に対して、告訴の要求がなされているが、これに対して政府当局は、その犯罪的文書の存在することをみとめながら、それを告訴することが、政策的立場から考えて適切か否かは諸般の様相を検討する必要があるとして、その後、結論を保留している由である。  就いては、左の点につき政府の見解を承りたい。 一、「国および国民統合の象徴」たる天皇以下、主たる皇族に対する名誉毀損、侮辱の犯罪行為に関しては、内閣総理大臣が唯一の告訴権者とされている。もしも、内閣総理大臣がその告訴権を行使しないときは、その犯罪行為は全く放置される結果となり、それは刑法の定める法秩序を無視する風潮をひろめる。  内閣総理大臣は、これらの皇室侮辱文書に対しては、当然告訴すべきものであると解せられるが、告訴の意思があるのか。 二、もしも告訴しないとすれば、他のどのような処置によりこの問題を解決するつもりか。その具体的方策について質したい。 答弁 内閣総理大臣 三木武夫          参議院議長 河野謙三 殿 参議院議員源田実君提出皇室の尊厳維持に関する質問に対する答弁書 一、について  御指摘のような文書は、表現の自由を濫用したもので、かかる文書の発行は、誠に遺憾である。しかしながら、これが例え名誉毀損罪ないしは侮辱罪に該当するとしても、告訴して裁判がなされる過程において、かえつて皇室にいらざる迷惑の及ぶおそれもあり、告訴については、慎重を期すべきものと考える。 二、について  この種のものは、一般世人にとつては、およそ読むに堪えぬものであり、正にほうまつのごとく消え去るものと思われるので、あえて公的な措置をとらないのが良策と考える。 sangiin.go.jp/japanese/joho1