倉敷市玉島の民家で2023年12月、会社経営の男性=当時(57)=夫妻が殺傷された事件で、実行犯として殺人罪などに問われた元紳士服販売業のA男(27)=岡山市北区=の裁判員裁判で、岡山地裁は25日、「人の生命を金銭獲得の手段にした。同種の殺人事件の中でも重い部類に属する」として求刑通り無期懲役の判決を言い渡した。
事件は、夫妻の長男で会社役員のB男(31)=倉敷市、殺人罪などで起訴=が男性の会社の相続を狙いに指示したとされる。A男は起訴内容を認め、争点は量刑だった。有期刑を求めていた弁護側は控訴を検討する方針を示した。
判決理由で本村暁宏裁判長は、被告は約540万円の借金がある中で結婚費用などが必要だったとして「B男から報酬の話が出ると自ら実行役を申し出た。増額を要求して前金も受け取った」と指摘。犯行時に財布を盗んで売却しようとした点に触れ、主な動機は報酬目的だと認定した。
犯行態様では「『参った』『出て行って』と哀願する男性に構わず殺害した。強固な殺意に基づく犯行で、生命軽視の程度が甚だしい」と非難。被害結果に関し「夫婦の日常が見ず知らずの男に理不尽に奪われた。目の前で夫を殺された妻の精神的苦痛は回復困難だ」と述べた。
犯行への関与の程度で「B男の計画に従っただけで従属的だった」とする弁護側の主張は「目出し帽や手袋を用意し、犯罪行為を単独で行った。極めて主体的に行動している」として退けた。
判決では、A男はB男と共謀。12月2日午後、正さん方に侵入し、刺し身包丁で男性を出血性ショックで殺害し、妻の胸に1カ月の重傷を負わせるなどした。
検察側の主張を全面採用 弁護側の訴え退ける
実行役とされるA男の刑の重さが焦点となった玉島夫妻殺傷事件の岡山地裁裁判員裁判は25日、検察側の主張を全面採用し、弁護側の訴えはことごとく退けた。地域を不安に陥れた凶悪事件は一つの節目を迎えた。
午後3時、地裁で最も広い100号法廷。スーツ姿で現れたA男は弁護人の隣に座り、口を真一文字に結んで判決を待った。
「被告人を無期懲役に処する」。本村裁判長の声が法廷に響くと、やや顔を紅潮させ、膝の上で拳を握りながら判決理由に聞き入った。朗読の終了後は裁判長に一礼し、ゆっくり法廷を出た。
閉廷後、補充裁判員を含め裁判員を務めた男女6人が記者会見に応じた。犯行態様の悪質さに加え、動機に言及し「殺害を父親に依頼するよう頼まれ、尊敬する父をおとしめられたと怒りから冷静さを失った」などとする弁護側の言い分について「理解しがたかった」と話した。
判決に対し岡山地検の深野友裕次席検事は「主張が受け入れられた適正・妥当な判決であると考えている」とコメント。弁護人の山口秀哉弁護士は「非常に重い判決だ。動機が一般の人には分かりにくい部分もあり、主張を受け入れてもらえなかったのは残念」とした。
事件は、夫妻の長男で会社役員のB男(31)=倉敷市、殺人罪などで起訴=が男性の会社の相続を狙いに指示したとされる。A男は起訴内容を認め、争点は量刑だった。有期刑を求めていた弁護側は控訴を検討する方針を示した。
判決理由で本村暁宏裁判長は、被告は約540万円の借金がある中で結婚費用などが必要だったとして「B男から報酬の話が出ると自ら実行役を申し出た。増額を要求して前金も受け取った」と指摘。犯行時に財布を盗んで売却しようとした点に触れ、主な動機は報酬目的だと認定した。
犯行態様では「『参った』『出て行って』と哀願する男性に構わず殺害した。強固な殺意に基づく犯行で、生命軽視の程度が甚だしい」と非難。被害結果に関し「夫婦の日常が見ず知らずの男に理不尽に奪われた。目の前で夫を殺された妻の精神的苦痛は回復困難だ」と述べた。
犯行への関与の程度で「B男の計画に従っただけで従属的だった」とする弁護側の主張は「目出し帽や手袋を用意し、犯罪行為を単独で行った。極めて主体的に行動している」として退けた。
判決では、A男はB男と共謀。12月2日午後、正さん方に侵入し、刺し身包丁で男性を出血性ショックで殺害し、妻の胸に1カ月の重傷を負わせるなどした。
検察側の主張を全面採用 弁護側の訴え退ける
実行役とされるA男の刑の重さが焦点となった玉島夫妻殺傷事件の岡山地裁裁判員裁判は25日、検察側の主張を全面採用し、弁護側の訴えはことごとく退けた。地域を不安に陥れた凶悪事件は一つの節目を迎えた。
午後3時、地裁で最も広い100号法廷。スーツ姿で現れたA男は弁護人の隣に座り、口を真一文字に結んで判決を待った。
「被告人を無期懲役に処する」。本村裁判長の声が法廷に響くと、やや顔を紅潮させ、膝の上で拳を握りながら判決理由に聞き入った。朗読の終了後は裁判長に一礼し、ゆっくり法廷を出た。
閉廷後、補充裁判員を含め裁判員を務めた男女6人が記者会見に応じた。犯行態様の悪質さに加え、動機に言及し「殺害を父親に依頼するよう頼まれ、尊敬する父をおとしめられたと怒りから冷静さを失った」などとする弁護側の言い分について「理解しがたかった」と話した。
判決に対し岡山地検の深野友裕次席検事は「主張が受け入れられた適正・妥当な判決であると考えている」とコメント。弁護人の山口秀哉弁護士は「非常に重い判決だ。動機が一般の人には分かりにくい部分もあり、主張を受け入れてもらえなかったのは残念」とした。