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日刊宗谷

市立稚内こまどり病院 患者から惜しまれ閉院へ 30日が診療最終日 長年に亘り慢性期医療担う

30日が診療最終日となる市立稚内こまどり病院

 市立稚内こまどり病院が、当初の計画通り今月末を以って閉院する。医療従事者の不足や施設老朽化、患者の減少で厳しい経営状況が続いていることなどを理由に、市立稚内病院(本院)とこまどり病院(分院)を運営する稚内市病院事業が閉院を決断。宗谷新聞社の取材にこまどり病院の高木知敬院長(76)は「公的病院の維持は大変難しい時代になり、閉院は致し方ないという思い。長年に亘り療養型病院としての役割を果たすことが出来た」などと語った。

 こまどり病院は2003年3月、国立療養所稚内病院の移譲を受け、療養型病院として開院し約23年となる。市立稚内病院(本院)が宗谷2次医療圏の拠点に対し、こまどり病院(分院)では療養病床45床で慢性期医療を担ってきたが、入院医療では新型コロナウイルス感染拡大を受け、本院の看護師の体制強化などに伴い、病院事業全体の見直しが必要となり、病床を22年4月から休床している。

 それからは外来診療のみを継続しているが、ここ数年は患者数が減少傾向。20年度の1日平均患者数は26・8人だったが、24年度は23・5人に落ち込み、医業収支は年間で約7千万円が不足。一般会計からの繰入金で補填している。

 施設自体は1980年の建設から46年が経過。耐用年数を超え、付帯設備などは国からの移譲時に未改修だった部分の老朽化のほか、今後も医療従事者の再配置の見通しが立たず、病床再開は困難な状況とし、廃止を判断した。

 診療は1月最後の平日となる30日で終える。同病院では「ここ最近は最後の診察で来院する人が多い。長く通院している方からは待合での混雑が少なく、通いやすいという声を頂いた。次に通う医療機関についても大きな混乱は無い」としている。

 施設は設備関係の故障が多く、閉院後の具体的な利活用策は現時点で無いが、個人情報に係る診療情報を保管しており、建物の管理は当面継続する。

 高木氏は1989年に市立稚内病院外科医長で着任し、02年から11年間、本院で院長を務めた。13年にこまどり病院長に就任し、一度本院に戻ったが、再び24年1月からこまどり病院の経営を担った。高木院長は「各医療機関の協力を得ながら市内全体で対応できれば」と。

 こまどり病院は、患者にとって急性期医療機関と自宅または老人ホームを繋ぐ役割を担ってきた。高木院長は「安心して最期を迎えられる施設として、こまどり病院は存在してきた。今後は自宅での看取りを推進する在宅医療の取り組みに期待したい」と語った。

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