「血管が詰まる」サインは手足に現れる?40代が無視してはいけない冷えと痺れとは|医師が解説
「最近、手足が冷える」「正座してないのに足がジンジンする」――40代になると、こんな小さな違和感を覚える人が増えてきます。でも多くの人は、「冷え性だから」「年のせいかな」でスルーしがち。実はその感覚、血管が悲鳴を上げているサインかもしれません。血管のトラブルは、胸や脳だけで起こるわけではありません。むしろ、一番最初に異変が出やすいのは“末端”である手足。見逃されがちな冷え・痺れの裏にある血管の話を、医師が解説します。 〈画像〉「血管が詰まる」サインは手足に現れる?40代が無視してはいけない冷えと痺れとは ■手足の冷えは「血流が足りていない」サインかもしれない 冬でもないのに手足が冷たい。 靴下を履いても足先だけ冷える。 こうした症状、女性に多いと思われがちですが、40代以降の男性にもかなり増えています。 血管は年齢とともにしなやかさを失い、内側に汚れ(動脈硬化)が溜まりやすくなります。すると、心臓から送り出された血液が末端まで届きにくくなる。結果、一番遠い手足から冷えが始まるわけです。 実際、健診では「血圧は正常」「コレステロールもギリギリセーフ」と言われていた50代男性が、「足先が冷えて夜眠れない」と受診。調べてみると、下肢の血管がかなり狭くなっていた、というケースも珍しくありません。 冷えは単なる体質ではなく、血管の通行量が減っているサイン。そう考えると、見方が変わってきます。 ■「ピリピリ」「ジンジン」は神経じゃなく血管が原因のことも 痺れというと、「神経が圧迫されている」と思う人が多いですよね。もちろんそれもありますが、40代以降で増えてくるのが、血流不足による痺れです。 血液は酸素と栄養を運ぶライフライン。それが滞ると、神経も正常に働けなくなります。 すると、以下のような症状が出てきます。 ■■長く歩くと足がジンジンする ■■手先がピリピリして細かい作業がしづらい ■■朝より夕方のほうが痺れが強い ある40代女性は、デスクワーク中に足の裏が痺れて集中できなくなり、「坐骨神経痛だろう」と放置。ところが検査すると、糖代謝異常と軽い動脈硬化が進行していました。血糖と血管、両方が関係していたわけです。 痺れ=神経と決めつけず、血管の視点も持つことが大切です。 ■放置するとどうなる?静かに進む“詰まりのリスク” 手足の冷えや痺れは、命に直結しない分、どうしても後回しにされがちです。でも、ここが落とし穴。 血管のトラブルは、「ある日突然」起こるように見えて、実際は何年も前からサインを出し続けています。 末端の血流が悪い状態を放置すると、やがて心臓や脳の血管にも負担がかかる。 狭心症 心筋梗塞 脳梗塞 これらの多くは、「以前から手足が冷えていた」「痺れがあった」という背景を持つ人が少なくありません。 特に40代は、仕事も忙しく、健康は後回しになりがち。でもこの時期に気づいてケアできるかどうかで、10年後の血管年齢は大きく変わります。 ■冷えと痺れは「年齢のせい」にしない 手足の冷えや痺れは、体が出してくれている分かりやすいサインです。 「疲れてるだけ」「冷え性だから」と片づけず、 ・最近、症状が強くなっていないか ・左右差がないか ・歩くと悪化しないか こうした点を一度、冷静に振り返ってみてください。 血管は、文句を言わずに黙って傷んでいきます。だからこそ、最初に声を上げる手足の違和感を拾えるかどうかが重要です。 40代は、まだ間に合う年代。 その冷え、その痺れ、体からのメッセージかもしれません。 今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。 文/甲斐沼孟(医師)
甲斐沼 孟