広島県と聞いてすぐに思い出すのは、やはりお好み焼きや牡蠣といった辺りですが、今回ご紹介するのは「海田さつま」という聞きなれない郷土料理です。海田(かいた)はおそらく地名でしょうけど、「さつま」はさつま揚げ…ではありません!焼いた魚と味噌をすり合わせた衝撃のおいしさで、ご飯が何杯でもすすんでしまう、危険なレシピでした(笑)。【絶品!郷土メシ】朝ドラ『あまちゃん』の味をおうちで再現!岩手県の「まめぶ」は甘いの?しょっぱいの?
この記事は、「農畜産物流通コンサルタント&農と食のジャーナリスト」という肩書で活動している山本謙治さんことやまけんさんが、農家向けの月刊誌『家の光』で2021年12月号~2024年4月号まで連載していた「やまけんのニッポン郷土食遺産」を参考にしています。
『家の光』はJAグループである家の光協会が、農家向けに毎月発行しているファミリー・マガジンで、今から約100年前の大正14年(1925年)に創刊しました。「食と農」「暮らし」「協同」「家族」という4つの柱を基本に、JA組合員をはじめ地域の人々の暮らしに役立つ情報を掲載しています。

さて、「海田さつま」という名前ですが、「さつまとは…魚(このしろ)を焼いて、すりつぶし、焼き味噌とだしでのばした料理。ご飯にのせて食べます。」と、広島県にある海田町のホームページに説明が載っていました。なるほど、海田町のさつまだから、「海田さつま」ということですね。これで謎は解けました。
「このしろ」という魚ですが、実は大きくなるにつれてシンコ、コハダ、ナカズミ、コノシロと呼び名が変わっていく出世魚です。シンコやコハダは江戸前の寿司でも見かけますが、大きくなったコノシロは、おいしいのに小骨が多く傷みも早いので、水揚げされた周辺だけで流通しているそうです。どうりで見かけないわけです。
やまけんさんの記事には地元の方のお話で、「お魚もね、なんでもいいんです。手に入ったもので作ればいいんですよ」と書かれていました。現在は、手に入りやすいアジやタイなどの白身魚も使っているようです。わたしも今回はアジの開きを用意しました。
広島県海田町の郷土料理「海田さつま」の材料と作り方※今回はやまけんさんの記事と、海田町のオリジナルレシピを参考にして作りました。【材料】※5~6人分アジ…3尾(ほぐして300g程度)

みそ…100g
白いりゴマ…120g
こんにゃく…200g
青ねぎ…100g
みりん…大さじ1
酒…大さじ1
ご飯…適量
[A]しょうゆ…小さじ1
みりん…小さじ1
酒…小さじ1

白ゴマはフライパンでさっと煎ってから、すり鉢ですりおろしておきます。
こんにゃくはさっと茹でてあく抜きをしてから、3cmの短冊切りにしておきます。
青ねぎは小口切りにしておきます。
【作り方】※調理時間:50分1. フライパンにアルミホイルを敷いて魚をのせ、中火で焼きます。焼けたらほぐして骨と身に分けます。
2. 骨を鍋に入れ、ひたひたの水(分量外)、みりん大さじ1、酒大さじ1を加えて中火にかけてだしを取ります。
3. 身はすり鉢に入れ、しっかりすっておきます。取り除き損ねた小骨が突き出てくるので、改めてアジの小骨の多さに驚きます。
4. 骨からだしが出たら、ザルで濾しておきます。生の魚の骨だと生臭くなりますが、一度焼いているのでおいしいだしが取れます。
5. 別の鍋にこんにゃくを入れて中火にかけ、
4のだし大さじ1、
Aのしょうゆ、みりん、酒(各小さじ1)を加えて水分を飛ばします。水分が飛んだら、火を止めて冷ましておきます。
6. アルミホイルにみそを広げて塗り、焦げ目がつくまでグリルかオーブンで焼きます。