「不安で夜も眠れない」 医療的ケア児の介護休暇申請も職場が難色 親の就労は死活問題に
子どもに障がいや医療的ケアが必要な場合、支援学校などへの送り迎えや通院など、親の付き添いが基本となる。そういったケアを続けながらも日々の生活のため、仕事を辞めるわけにはいかない母親たちの苦悩がある。AERA 2026年1月26日号より。 【気になるデータ】特別支援学級等の児童生徒の在籍者数 * * * 障がいがあり特別支援学校などに通う児童や生徒は約64万人に上る。国の統計によると、医療的ケア児は全国に2万人と推計される。 大阪府の保育士の女性(33)はシングルマザーとして、医療的ケアの必要な長男(4)と健常の長女(3)を育てている。長男は生まれながらに口から栄養を取ることができず、鼻から栄養を入れる経鼻経管栄養で命をつないできた。 ■介護休業に会社が難色 約2年前、経鼻経管栄養よりも不快感などが少ないとされる胃ろうの手術に踏み切った。腹部に小さな穴を開け、カテーテルを通して直接栄養分を胃に流し込めるようになる。女性が育休から復職するにあたり、管理の負担が軽減されるメリットもあった。 だが、想定外の事態が起きた。手術は成功したが、栄養分を入れると吐き続けてしまう嘔吐(おうと)症を発症した。吐き続けることで栄養分も水分も失われるため点滴が必要となり、頻繁に入退院を繰り返すようになった。 今はまだ明確な治療法がない。いつ嘔吐が出るかわからず、間断ない介護が続いている。入院時は親の付き添いが基本だが、幼い長女がいることでそれもかなわない。近くに自身の両親が住んでいるが、どちらもまだ現役で仕事をしていて、頼ることは難しい。 シングルマザーだから、仕事を辞めるわけにもいかない。長男には看護師をつけてもらい、24年春から2人を保育園に通わせた。だが、同年秋に長男の体調は著しく悪化し、月の3分の2程度を入院して過ごすようになった。 女性は介護休業を取得したいと職場に申し出た。育児・介護休業法では、要介護状態にある家族の介護と仕事の両立ができるよう通算93日(3回まで分割取得が可能)まで介護休業できる制度を定めている。だが、職場は難色を示した。 職場からの理解が得られないまま、長男のケアで心身はすり減り、女性は精神疾患を発症した。女性自身の療養も必要になり、子どもたちはそのまま保育園に通い続けている状態だ。