山本太郎氏が公表「多発性骨髄腫」とはどんな病か――SNSで語った“一歩手前の状態”とは?最新の治療方針・治療法について【医師が解説】
「れいわ新撰組」の山本太郎さん(51)が、「多発性骨髄腫の一歩手前の状態」であることを理由に参院議員を辞職し、療養に専念することを明らかにしました。 多発性骨髄腫は血液のがんの1つで、芸人の宮川花子さん、俳優の佐野史郎さん、経済学者の岸博幸さんなどが罹患していることを公表しています。本稿では血液内科専門医の立場から、この多発性骨髄腫という病気について解説します。 ■抗体を作る免疫細胞ががん化 多発性骨髄腫とは、形質細胞という血液の細胞ががん化し、骨髄の中で異常に増殖する病気です。
私たちの体には、ウイルスや細菌などの外敵から身を守るための免疫システムが備わっています。その1つがBリンパ球で、形質細胞に進化することで、抗体を作るようになります。新型コロナやインフルエンザも、ワクチンを打つと抗体が作られて、感染を防御することができるのは、この形質細胞のおかげなのです。 そして、この形質細胞ががん化して「骨髄腫細胞」になった状態を、多発性骨髄腫と呼びます。 骨髄腫細胞は、正常な抗体ではなく、役に立たない異常なタンパク質(Mタンパク)を大量に作ります。このMタンパクは血液をドロドロにさせたり、腎臓のフィルターを詰まらせて腎障害を起こしたりします。また、骨を壊す細胞を活性化させてしまうため、全身の骨がもろくなり、骨折をしやすくなります。
このほか、骨髄腫細胞が骨髄で増えることで、正常な血液細胞が作られにくくなるため、貧血や出血のほか、さまざまなウイルスや細菌に感染しやすくなります。 ■「一歩手前の状態」とは? 山本さんは動画サイトで「一歩手前の状態」と述べておられましたが、これはどういう意味なのか簡単に説明します。なお、山本さんの病状について言及しているのではないことを、ご承知ください。 多発性骨髄腫は、「MGUS(意義不明の単クローン性免疫グロブリン血症)」と呼ばれる血液の変化から始まります。