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スシロー、鳥貴族、そして串カツ田中まで。なぜ外食王者は「成功した社名」を捨てるのか? #エキスパートトピ

外食ビジネスアナリスト
写真:西村尚己/アフロ

串カツ田中ホールディングスが2026年3月、「ユニシアホールディングス」へ社名を変更する。2002年に「株式会社ノート」として創業後、2015年の改名、2018年の持株会社化を経て現社名となった同社。今回の変更は8年ぶりの大きな脱皮だ。

近年、同社は明確に「脱・串カツ田中」を掲げてきた。外食業界ではスシローや鳥貴族など、成功ブランドの名を冠した社名から距離を置く動きが相次ぐ。なぜ看板を外すのか。そこには単一業態の限界を突破し、M&Aや多角化で次の成長曲線を描こうとする経営判断がある。

ココがポイント

リゾートレストラン「PISOLA」を運営するピソラ(滋賀県草津市)を12月1日付で子会社化
出典:Yahoo!ファイナンス 2025/12/1(月)

串カツ田中HD社長に創業者の貫啓二会長が復帰 坂本寿男社長は退任
出典:日本経済新聞 2025/12/15(月)

売上高は前年同期比25.1%増の210億9100万円、純利益は95.8%増の7億4400万円
出典:マネー現代 2026/1/18(日)

串カツ田中ホールディ‍ングスは23日、「ユニシアホールデ⁠ィングス」に社名変更すると‍発表した
出典:ロイター 2026/1/23(金)

エキスパートの補足・見解

最近、串カツ田中ホールディングスの動きが慌ただしい。2025年9月にはイタリアン「PISOLA」を運営するピソラ社を約95億円で買収。続く12月には創業者・貫啓二氏が社長CEOに復帰し、さらに2026年3月には社名を「ユニシアホールディングス」へ変更する。一連の動きは、同社が次の成長フェーズへ進むための構造転換と捉えるのが自然だろう。

同社はこれまで、公認会計士出身で数字に明るい坂本壽男前社長と、現場を熟知した「スーパー店長」大須賀氏の体制のもと、ガバナンス強化と収益改善を進めてきた。その成果は2025年11月期の大幅な増収増益に結びついている。

一方で、経営が安定するほど「第2の柱」が見えにくくなったのも事実だ。同社が掲げる「2035年1000店構想」は、もはや串カツ田中単体では成し得ない。そこで鍵となるのがM&Aによる外部ブランドの取り込みだ。力のあるブランドを束ねることで、成長スピードを劇的に引き上げる算段である。さらに海外市場への本格攻勢もこの新体制で加速させていくだろう。

拡大と管理のフェーズを経て、次の成長局面に入る。そのタイミングで創業者が再び前線に立つという点は、注目に値する。

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外食ビジネスアナリスト

外食ビジネスアナリストとして、外食産業を中心に、企業戦略、DX、業界構造の分析と取材を行っている。2019年7月より「月刊飲食店経営」副編集長を務め、2021年12月には著書『外食業DX』を出版。現場取材で得た一次情報と、経営者視点を掛け合わせた独自の分析を強みとする。これまでにインタビューした経営者は外食関連だけでも500名近くに及ぶ。 「ガイアの夜明け」「情報7daysニュースキャスター」などの番組出演や、業界向けセミナーの講師経験も多数。近年は外食DXや産業構造の知見を活かし、企業のビジョンや方針発表書の言語化支援、導入事例コンテンツの制作など、情報発信の戦略パートナーとしても活動。

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