「働いて働いて…」と言って3カ月で衆院解散 「膨大なお金を選挙でなく暮らしへ」 物価高に悩む鹿児島県内の有権者から切実な声
衆院が23日解散され、事実上の選挙戦が始まった。高市早苗首相は就任以来、「経済対策最優先」をうたってきたが、政治空白は避けられず、2026年度予算成立は4月以降にずれ込む可能性がある。物価高や実質賃金の低迷、円安と長らく生活防衛を強いられている鹿児島県の有権者からは「暮らしを支える息の長い対策を」と切実な声が上がる。 高市首相は「責任ある積極財政」と言うけれど、その「責任」、何を意味する? 「目先の効果はあるかも…」
「なぜ今、解散なのか。高市首相は働いて働いてと言って、まだ3カ月しか仕事をしていないのに」。姶良市平松の主婦(79)は首をかしげる。 年金生活で、買い物へ行くたびに物価高を感じている。肉は安い外国産にし、買う品数も減らしている。 ここにきて与党側も食料品の消費税ゼロを検討すると公約に打ち出したが「実現するかどうか。減税は野党も言っていたことで、選挙をせずに実現してほしかった」という。「商品券を配るとか一時的なものではなく、毎日を安心して暮らせる対策を」と注文する。 指宿市湯の浜5丁目のパート女性(44)は食料品の減税論議を懐疑的にみている。「物価が上がり続ければ家計の総支出は減らない。効果は限定的では」と考えるからだ。 夫は飲食業を営む。食料品の消費税がゼロになると「外食控えにつながらないか」との懸念もある。「膨大なお金を選挙ではなく、暮らしを根本から改善する事業に使えなかったのだろうか」と釈然としない。
実質賃金も改善の見通しが立たないまま。建設会社で働く出水市高尾野町下水流の男性(43)は「最近給料が少し上がったが、肉や卵などの値段はどんどん高くなり生活は苦しい」と吐露する。食べ盛りの小学生2人を妻と育てており「これからも家計負担は増える」と頭を悩ます。 長引く円安に気をもむのはさつま町求名で繁殖雌牛と子牛を計50頭ほど飼育する畜産農家の男性(57)。多くを輸入に頼る配合飼料の価格は5年ほど前と比べ3~4割上がった。「生き物が相手なので簡単に減らせない」という。 小規模農家ができる対策には限界があるといい、さらなる物価高に不安を募らせる。「このままだと廃業せざるを得ないと話す同業者は少なくない。小規模農家でも暮らしていける支援策に期待したい。徹底した現場主義の政治を求めている」と述べた。
南日本新聞 | 鹿児島