贈り物に「紛失防止タグ」→住所特定 スマホの設定で悪用見抜く方法
水戸市のネイリストの女性が殺害された事件では、位置情報がわかる機器を仕込んだぬいぐるみが、住所の特定に悪用された可能性があることが、茨城県警の捜査でわかった。こうした機器はストーカー事案でたびたび使われている。どんな機器で、見つけることはできるのか。 【写真】音が鳴らないよう不正に改造されたエアタグが、オークションサイトで販売される事件もあった=2022年11月30日、千葉県警千葉南署 ■位置情報がわかる装置とは 位置情報がわかる装置は、GPS(全地球測位システム)機器や、ブルートゥースを使った「紛失防止タグ」がある。どちらもネット通販で手軽に購入でき、価格も数千円台からと手頃だ。紛失防止タグは米アップル社製「AirTag(エアタグ)」が知られているほか、さまざまなメーカーが発売している。 ネット通販のウェブサイトでは、カギや財布に取り付けて紛失した場合に見つけやすくしたり、保護者が子どもに持たせたりといった使い方が紹介されている。持ち主はスマホなどで、位置情報を確認できる仕組みだ。 ■どんな場所に設置されやすいのか 防犯アドバイザーの京師美佳さんは、贈り物などに仕込むのは「よくある手法だ」と指摘する。京師さんは、DVの加害者が学校から帰る途中の子どもに、GPS機器を仕込んだぬいぐるみを渡した事例について、相談を受けたことがあるという。 贈り物のほか、お守りの中や自転車の泥よけの裏、靴底など、普段見ない場所も仕掛けられやすい。京師さんは「性善説では身を守れない。考え方を変える必要がある」と指摘。知らない人や、断りづらい嫌な相手からの贈り物などは、自宅まで持ち帰らず、帰宅途中に捨てるなどの対応も必要だと話す。 ■気付く方法はあるのか 身近なものに機器が仕込まれたら、気付くことはできるのか。 ITジャーナリストの高橋暁子・成蹊大客員教授によると、エアタグなど、他人のスマホを介して位置情報を送る製品であれば、自分のスマホを正しく設定することで検知できるという。 iPhoneでは、「設定」から、「位置情報サービス」「iPhoneを探す」「Bluetooth」をそれぞれオンにする。その上で「通知」の設定から、「トラッキング通知」の「通知を許可」をオンにする。 アンドロイドは、「設定」の「安全性と緊急情報」から「不明なトラッカーのアラート」に入り、「アラートを許可」にチェックを入れる。 他人のタグが近くに置かれていることを検出すると、スマホにアラート(警告)が表示される。持ち主の電話番号が登録されていれば、その下4桁が表示されるときもある。高橋さんは「検出したら、スクリーンショットを撮って警察に相談してほしい」と話す。 アップル社のエアタグは悪用防止のため、持ち主の手元から離れてしばらく経つと、音が鳴るようになっているという。 だが、こうした機能を持たない製品も多いといい、高橋さんは各メーカーも対策をとるべきだと指摘する。 ■ストーカー規制法で禁止 ストーカー行為などで、GPS機器や紛失防止タグを悪用する事例は後を絶たない。2021年施行の改正ストーカー規制法で、GPS機器で他人の位置情報を無断で取得する行為は禁止された。25年12月施行の同法改正で、紛失防止タグによる無断取得も禁止されている。(根津弥、マハール有仁州)
朝日新聞社