国民的英雄ジョコビッチも支持表明...セルビア「学生デモ」がブチッチ政権を揺さぶる
Vucic Under Siege
票が盗まれない選挙を
抗議者たちは、国営メディアには親欧米派の手先と非難されているが、外国との結び付きを意識して避けている。セルビアはEU加盟を支持する一方で、プーチンの人気が根強い国でもある。
「法の下で裁かれるべき人々が逮捕されず、学生が路上で逮捕されている」と、ジャーナリストで元政府職員のミリバィエ・ミハイロビッチは本誌に語っている。「彼らの旗印は腐敗との闘いだ......司法制度が機能することを、国家機関が正常に運営されることを、票が盗まれない自由な選挙を求めている」
当局は過剰な武力行使を否定し、ブチッチは27年12月までに実施される総選挙を前倒しすることも示唆しているが、そのタイミングは繊細な問題でもある。27年にベオグラード国際博覧会(万博)の開催が決まっており、大規模な建設プロジェクトが既に進行しているのだ。
建設業は、新型コロナウイルスのパンデミックの後、国の経済成長を支えてきた。世界銀行は24年のセルビアの成長率を3.9%と推計している。しかし多くの国民は、物価上昇の影響は誰もが受けているのに、成長の恩恵を受けているのはごく一部だけだと感じている。
ブチッチはさらに新たな建設プロジェクトを確保したいと考えていたが、昨年末にクシュナーの投資会社アフィニティ・パートナーズが5億ドル規模のトランプ・タワー計画から撤退。
背景には一連の抗議活動と汚職疑惑がある。再開発が予定されていたのは99年にNATOの空爆を受けた旧参謀本部庁舎だが、その文化財指定が違法に解除された疑いで、セルビアの検察が閣僚を含む複数の高官を起訴している。