「飲み会に呼ばれない」答えのない人付き合いの悩み、大切なことは

臨床心理士・中島美鈴
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 新年が始まり、仕事や学校など日常生活のリズムは戻りましたか。「新年会が落ち着いてきた」という人もいるでしょう。今回のテーマは、「飲み会に呼ばれない」という悩みです。

 職場の同僚が、自分だけを誘わずに飲み会を開いていたことを後から知り、傷ついた経験はありませんか? 「人を傷つけないように、穏やかに振る舞ってきたつもり。会話も工夫しているし、雑用も率先して引き受けてきたのに、なんで誰とも親しくなれないんだろう」。努力しても距離が縮まらない、という悩みを抱える人は少なくないでしょう。

 もしかしたら、小さい頃に大人から期待された「こういう子になってほしい」という要素と、成長して人と仲良くなるときの要素は、少し違うのかもしれません。誰かと親しくなるきっかけは「すごいなあ、尊敬する」よりも、「あなたもそうだったの? 実は私もよ」という仲間意識や共感ではありませんか?

 尊敬や「いい人だな」というよい印象は、近づきたい動機になっても、決め手にはならないのでしょう。「いい人」より「合う人」、「親切にしてくれる」より「一緒にいて心地いい」という感覚が、親しさを育む決め手かもしれません。職場で「まじめで優しくていい人」になろうとしていたけれど、飲み会をした同僚たちは、もう少し気楽にわいわいしたかったのかもしれません。

 では、どうしたらいいのでしょう。選択肢は二つです。心の底に「不真面目な部分」があるなら、少し表現して同僚と親しくなるもよし。「いや、私はずっとこのキャラで生きてきたし、ルーズな部分はほぼない」という場合は、もっと気の合う人と仲良くする。どちらも間違いではありません。大切なのは、自分が何を重視して人付き合いをしたいかを考えることです。

 人は態度や声色、表情などの非言語的な部分から、その人のキャラクターを感じ取ります。初対面でも「こういう人生を送ってきたのかな」と直感することはありませんか? 同僚にも伝わっているのでしょう。

 どうしたらいいのかは、人生の価値観にもよります。「私の『いい子キャラ』は母の言いなりで形成された。もっと違う生き方がしたかった!」という決断もあり。「このキャラでいく。わかってくれる人を探す」。これもいい決断です。

 答えは一つではありません。今回の悩みが、自分の価値観を見つめ直すきっかけになるとよいですね。

臨床心理士・中島美鈴〉

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