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石破茂新総裁は政権を維持できるのか、党内と日米関係の懸念点

党内融和の失敗


 石破新総裁により政権構想が明らかにありつつあるがその内容をまとめると以下のようになる。

1:村上誠一郎総務相で安倍派は完全に敵に
2:茂木派は派内の反主流派優遇で茂木殺し
3:麻生派は分断による世代交代狙い
かなりえげつない人事で、党内融和からは程遠い内容。 心配なのは造反で、参院安倍派が全員造反すると、首相指名が過半数割れで決選投票する事になる。

 論功行賞とは言え、村上誠一郎氏の能力は知らないし、発言から言ってもアキレス腱になりそうな人事だが、限界右翼はともかくとして国民がどうとるのかが、新政権の行く末を左右しそうである。
安倍派が反発し、不記載議員を中心に造反すると逆に国民は石破新総裁に好意的になるだろう。

 不記載議員は自覚がないのか、国民に毛嫌いされている自覚が薄いようだが、石破新総裁が1年間ねじれ国会を耐える覚悟があるなら、不記載議員の中でも悪質なものに対しては刺客を送るのはありで、それで衆院選を大勝し、1年後の参院選でも同じ事をやり勝てれば、長期政権が見えてくる。
悪質なものだけなのは、全員だと不記載議員が一致結束してしまい党が割れることになりかねないが、一部だけなら分断できるからだ。

 また、参院の不記載議員も分断できて、国民民主党を引き込めばねじれを回避できる可能性も出てくる。国民民主党は経済的には、積極財政派であり金融緩和維持派なので、石破・植田ショックによる景気低迷とデフレ突入を回避できるようになるのではないか。
 もっとも日本の景気に今最も影響を与えるのは、次の米国大統領がハリス・トランプのどちらになり、それによって米金利がどうなるかなのだが。

 なお。高市氏が党を割るとかいう妄想を言う人がいるが、そこまで愚かではないと思われる。そもそも割ったとしても付いていくのは先がない不記載議員が破れかぶれでついていく程度で20-30人程度となり、高市氏も先がなくなるだけだ。

日米関係の懸念

 また日米関係も懸念事項となる。

 日本語も記載されてるので、まずは上の石破茂新総裁の寄稿を読んで欲しい。
 率直に言って、安倍・高市ラインを超える超タカ派な内容で、石破茂総裁誕生に動いた某大使館も今頃顔真っ青なのではなかろうか。

 内容自体は賛成するところは大いにあるのだが、現在の政治的状況でうまくいくと思えるものがない。

日米同盟の米英同盟化

 日米同盟を米英同盟並にするのには、憲法改正が必要なうえ、今日米安保が限定している日本周辺に限る同盟関係を事実上、世界全体に広げるとなると国民が同意するかというと極めて疑わしい。
 自衛隊員、その時には国防軍の軍人ということになろうが、アメリカの戦争に付き合って、中東や東ヨーロッパで日本の軍人が血を流すことに賛成できるのだろうか?血の同盟、血の紐帯というのはそういうものであり、そこまでの覚悟が石破新総裁にあるのだろうか?

日米地位協定の改定

 日米地位協定の改定も難しいだろう。原則、米民主党政権は日本には極めて冷淡で、警戒心が強い。ハリス大統領になった場合は一歩も動かないで終わるのではないか?
 トランプ大統領となった場合はディールで動くかもしれないが、GDP3%程度の軍事費増加を要求してくるだろう。国防族の石破新総裁的にはありかもしれないが、さすがに3%だと大幅な増税は避けられず(本当は高齢者向けの福祉に大鉈を振るって6兆ぐらい捻出すれば良いのだが、それも政権喪失につながるので出来ない)、国民の反発も大きくなり、石破政権の致命傷となりかねないだろう。
 とはいえ、ヨーロッパの最前線であるポーランドがGDP比3%超えを達成していることを鑑みるに、日本・台湾・韓国といった東アジアの最前線国家もその程度は必要というのは否定できない話なのだが。

核の持ち込みと中国との相互確証破壊の再成立の問題とニュークリア・シェアリング

 核の持ち込みについては、もともとあまり意味のない原則だが、再度アメリカが中距離の核弾道ミサイルの配備を始めたなら、それを日本に置くのは無意味ではない。北京に届くミサイルの到達時間が短くなるだけで、抑止効果が働く。
 とはいえ、これも相当政治的な覚悟がいる話だ。

 現在、中国が核弾頭を大幅に増加させ、2035年には1500発程度まで増強する流れになっていて、北朝鮮の核保有は決定的となり、核保有しているロシアは核の脅しを躊躇なく行うようになってしまった今、日本が核廃絶運動を促進するメリットは自己満足以外ではほぼ無くなった。
 というのは、米による核の優位が破れつつあるからだ。均衡ではなく優位なのがポイントで、以前であれば中国の核保有数が限定的であったため、アメリカの圧倒的な核戦力とミサイル防衛システムで、ほぼ無傷で中国を完封できる状況だった。そのために、中国もあまり無理な行動はできなかったわけだが、中国の核戦力の大幅増強によって相互確証破壊が成立することで、通常戦力による侵略を抑止するには通常戦力で対抗するしか無くなった。
 もちろん、中国の通常戦力は数だけでハリボテだという人もいるが、数でも脅威だし厄介なのはロシアによるウクライナ侵略で明白になっている。

 核廃絶を願う道義的国家というポジションは以前であれば、それなりに美味しい立ち位置であり、外交的に意味があった。また、日本の核保有とそれによる核での報復を恐れるものが一定以上いたアメリカを警戒させないためにも意味があった。
 だが、通常戦力による抑止も働かないという状況になれば、防衛側として核の脅しを出来るかどうかは重要な事となる。
 日本独自で保有できればそれが最善だが、それは国際政治上困難(国際的批判を分担するために、韓国及び台湾も同時期に保有を行うのが理想的ではある)であるならば、ニュークリア・シェアリングという話が出てくるのも当然の話だ。
 手っ取り早いのは核弾頭を積んだSLBMを搭載した原潜をアメリカと共同で運航することだ。もっともこれをアメリカが受け入れる可能性はゼロだと思う。少なくともトランプのようなトリックスターが大統領でなければ不可能だろう。

アジア版NATO

 実現性はこれもなく、集団安全保障と集団防衛が意図的か意図的でないのかはわからないが、まとまって石破新総裁の論文では論じられているため混乱するが、NATOの本質が集団防衛であることを考えれば、いずれ集団防衛をアジアで構築すべしということなのだろう。NATOがソ連に対抗する目的で出来たように、中国を対象としていることも明確になっている。
 おそらく、実際に加盟国による集団防衛を行うような事態は起きてほしくないが、このような組織を作ることで加盟国の集団安全保障を構築するということを言いたかったのではなかろうか。
 また、加盟候補国も上がっている。日本、アメリカ、カナダ、オーストラリア、フィリピン、インド、フランス、イギリス、韓国を想定しているようだ。
 インドの外交政策上、双務的な集団防衛機構に加盟する可能性はゼロだと思うし、フランスもNATOにすら不平満々なのに入るとは考えにくい。韓国も入ってくれれば戦力的には頼りになるが、左派政権ができたときは、NATO式に全会一致で行うのであればアキレス腱となろう。
 最悪、アジア版NATO(以降ATOと仮称する)が加盟国間の不和で空中分解した場合、ATO成立によって日米同盟を解消していた場合、致命的なことになりかねない。
 我が国は戦前、四カ国条約(日・米・英・仏による10年間の安全保障体制)成立により、日英同盟を更新せず解消してしまった。これが太平洋戦争につながったとも言えるわけで、同じ愚は犯さないでもらいたいところだ。

米民主党は日本に対して冷ややかであるということ

 石破新総裁が、新総理になった後にトーンダウンせず、寄稿した論文通りの政策を推進するとアメリカに表明した場合は、民主党の間は日米関係はうまくいかなくなるだろう。
 オバマ政権第一期のことを思い出せば明白だが、安倍元首相を歴史修正主義者だと断じて、極めて反日的な政策を取り続けた。第二期でようやく軌道修正したが、それでも冷淡なままだった。
 オバマ2.0といえるバイデン政権も、オバマ3.0となるだろうハリス政権も超タカ派な主張がある石破新総裁をこのままでは冷遇するだろう。
 もちろん、ケミストリーがよく、うまく説明ができて、日米地位協定の改定や、アメリカでの自衛隊訓練基地の設置とそれにともなう新協定の策定もありえなくはないだろうが、率直に言って可能性は低いだろう。

最後に

 いずれにせよ、党内統治をうまく出来るのか、日米関係をうまくやれるのかが当面の大きな課題となるだろう。これに失敗した場合、短命政権に終わるだろう。

表紙の画像はFlux.1Proでプロンプトは「A Japanese middle-aged man in a suit, sitting on a chair, resting his elbows on a desk and holding his head in his hands, looking troubled, comic style, detailed, 8k, intricate, masterpiece, artstation, trending on artstation」で作成した画像。


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