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トランプショック:相互関税による今後の株価の上昇要因と下落要因

日経平均だけでなく世界の株価が下げているが、今後の上昇要因と下落要因を整理しておく。
なお、相互関税という呼び方に対して不満を持つ人も多いようだが、そのまま相互関税と呼称する。

上昇要因

1:日銀の明確なハト派スタンスへの転換発言

口先介入となって一時的な効果はあるだろうが、いかんせん相互関税は世界的なイシューのため、植田ショックのときのような劇的な反応は期待できない。

2:金利引下げや明確な国債の買い入れや量的緩和の再開

実際に行えば、口先でない明確なハト派スタンスへの回帰となり、相当な効果が見込まれるが、植田総裁を始めとした日銀のプライドが過ちを認めることができるかどうかが鍵となる。

3:政府による大幅な減税や財政出動

参院選を前に与野党から要求が行われる可能性が極めて高い。但し、国債の金利上昇に繋がる可能性が捨てきれず、慎重なオペレーションが必要となる。

4:3を踏まえての自公国や自維公、自維公国などの連立政権の誕生

選挙区調整が難しいが、誕生すれば過半数を超えた安定政権となり、少なくとも当面は株価の上昇要因となる

5:相互関税の引き下げに成功した国が出る

相互関税の計算方法があまりにも雑であったため、米国への不信から更に下げているが、交渉が一応できるのだということが判明すれば期待から上昇するだろう。ただし、交渉内容によっては上昇しない可能性もある。

6:EUの報復関税の停止

報復関税派とディール派でまとまらず、報復関税を実行できない場合はEUの結束の乱れという側面でEU圏の株価は下落するだろうが、報復合戦リスクが低下するということから、それ以外の国は上昇する可能性が高い。

7:FRB関連のプット

パウエルFRB議長やFRB理事達による市場を落ち着かせる発言があれば、短期的な効果が見込まれる。
また、量的緩和の再開や金利引下げの前倒しなども効果があるだろう。ただし、インフレを加速させるリスクが高い状況であり、中期的に良い結果が得られるとは限らないため、慎重になるだろう。

8:トランプ政権内部からのプット

ベッセント財務長官などからの市場を落ち着かせる発言があったり、ラトニック商務長官の罷免などの話が出てくればプラスだろう。

9:上下両院による大統領による関税関連の権限の制限

上院では提出されているが、下院での可決は現在難しい状況。

#以下は時期が半年後以降のもの

10:中間選挙に向けての減税や規制緩和策

もっとも市場関係者の期待が大きいもので、これが最後の支えになっており、これが上手く行かないと当然、株価は崩壊する。

11:強い実体経済

想定よりアメリカでインフレが進まなかったり、株価下落の逆資産効果がそれほどでもなかった場合などに上昇する可能性はある。

12:米国インフレによる米国債金利上昇とそれに伴う円安

短期的にはリスクオフからの円高が進むだろうが、中長期的に米国のインフレが明確化し、米国債金利上昇が始まった場合は円安となり、日本の株価が戻る要因となるかも知れない。

下落要因

1:ディールに成功するところが出ないか、出ても小幅な引き下げにとどまる

関税をトランプ減税の原資にしようと考えているのであれば、関税の大幅な引き下げは期待できないし、また成功しても交渉国によっては大きな痛みを伴うものになりかねない。

2:報復関税を決定する国が増える

これを書いている時に中国が報復関税を決めて市場は大きく下げたが、EUが続くとなれば更に大きく下げるだろう。

3:報復関税に対して、トランプが更に報復関税を行う

報復合戦となるとアウトオブコントロールに陥り、完全に市場は崩壊し、長期低迷を余儀なくされるだろう。

4:トランプ政権内の的はずれな言い訳が続く

ベッセント財務長官から今回の下げは関税とMAGA政策のせいではなく、MAG7の株価がDeepSeekショックで下がったからというような的はずれな発言が続くと、更に失望売を招くだろう。

5:日銀がこの状況でもタカ派的発言をやめなかったり、金利引き上げを行う

一部タカ派委員を除けば、慎重姿勢を明確にするとは思うが、日銀の金利引き上げへの執念は侮れないので警戒は必要。植田ショックで学習していることを祈りたい。

6:自民党内のタカ派や野党が報復関税を叫び、参院選を前に右派支持層を引き止めるためという愚かな理由で強気の態度に出てしまう

すでに高市などからそういう声も出ているが、党内でパフォーマンスとしてやる分には好きにすればいいが、政府が引きずられて実際に行動に出てしまうと破局的な事態になりかねない。

7:石破降ろしの活発化と総理の交代

石破の総理としての適格性は置いておいて、この状況下で政治の混乱は極めて危うい。トランプ政権が右派に甘い発言が多いことを考えると、高市への交代は悪くない選択肢でないとは言い切れないし、積極財政も状況的に悪くなさそうだが、金利への影響が読めない。トラスの二の舞いで、超短命に終わるリスクもある。

8:企業決算発表での悲観的な業績見通し

これはすでに予想されているため、織り込み済みとなってその時には悪材料出尽くしとなって上る可能性も否定できないが、来期の業績見通しは出せない企業や、出せても相当悲観的な見通しが続出すると思われ、株価を引き下げるか、戻りを相当抑制するだろう。

9:目標株価の引き下げ

これから本格化するだろうが、目標株価の引き下げがこれから活発化し、それが下押し圧力になるだろう。

10:関税収入のトランプ減税の原資化が明確となる

トランプ減税の原資として関税収入が使われることが明確になると、引き下げも期待できなくなり、アメリカの株価はともかく、それ以外の国の株価の下落要因となる。また、たとえ4年後に民主党に政権交代しても、税収を関税に頼る構造が一度できてしまうと、それを短期間で修正するのは難しくなるので、あまり期待しないほうが良い。マスクが廃止したものを元に戻すのにも金はいるのだから、尚更困難。

11:DOGE省による歳出削減の失敗

2兆ドルの削減から、すでに1兆ドルに目標は下げられたがこれも未達で、しかも訴訟などにより大きく削減額が減少するとなると、トランプ減税が関税に頼らざるを得なくなるため、アメリカ以外の株価には下落要因になる。さらに、財政悪化懸念から米国債金利上昇を引き起こし、株価にはネガティブに働くだろう。マスクが気に食わなくても、この点においてマスクを応援したほうが我が国においてはプラスなので、せいぜいマスクには頑張ってもらいたい。

12:リスクオフによる円高進行

輸出企業にとってさらなる打撃となり、日本の株価を引き下げる要因となるだろう。但し、米国でインフレ進行が明確化した場合や財政悪化懸念での米国債金利上昇などで円安になる可能性も否定できないので、判断は難しい。

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