議員定数削減が何故、高市政権の強い武器になるのか、その理由
連立政権合意と議員定数削減をめぐる議論
自民党と日本維新の会の連立政権樹立合意書に於いて、定められた議員定数削減について様々な意見が表出している。
合意文書の原文
原文の解釈でも意見が別れているが、その原文は以下の通りである
●一割を目標に衆議院議員定数を削減するため、令和七年臨時国会において議員立法案を提出し、成立を目指す。
「成立を目指す」の解釈
成立を目指すと書かれていることから、成立をしないでもいいというようにトーンダウンしたという見方をするものもいる。
現実問題として、議員定数をいじるのは、民主主義の根幹的な問題なので与野党の協力が必要であるという認識が一定度強いことも事実で、また自維連立政権では衆参共に過半数に届いていないため、野党の協力が不可欠なため、押し通せるような話ではないので、目指すという表現になるのは別段おかしい話ではない。
議員定数削減に関する批判
また、一割(46議席だが、50議席という事になっている)を比例から削除しても痛みが少ない自民と維新による比例中心の中小政党に対する攻撃であるという批判もある。
また、議席を減らすことで多様な民意の反映ができなくなるとか、日本は人口あたりの議員数が特別多い国ではないので、減らす必要はないなどという意見もある。
これ自体は一考に値するが、国家やシステム、時代の変化によって最適な議員数は変わるものであり、所詮ポジショントークの域を出ない。
高市首相の強い武器となる理由
さて、ここから何故、議員定数削減が高市首相の強い武器になるかを解説する。
野党の反応と公明党への配慮
まず、国民民主党はブレブレでなんとも言えないのだが、基本的に野党は議員定数削減について、否定的である。これは、特に比例からの議席削減に大きく反発している公明党に対する配慮も見え隠れし、自民党内で反対意見を言うものの中にも、公明党に配慮して反対を述べているものがいるとの証言がすでに出ている。
国民民主党も最初は玉木代表が勢いよく、冒頭に出せば賛成するとか言っていたが、おそらく公明党への配慮で言を翻した。
こういうこともあり、臨時国会での議員定数削減の議論は難航するのが予想される。
高市政権の戦略展開
そこで、まずはすでに野党とも合意したガソリン暫定税率の廃止や、冬の電気ガス代の補助、年収の壁の引き上げと言った国民も望む通しやすい物価高対策を含めた補正予算を通したうえで、議員定数削減に対しての議論を進めることになる。
そして、議員定数削減の法案がまとまらなかったり否決された場合は、反対した野党を、抵抗勢力として扱い、議員定数は慎重であるべきという与野党問わない意見に対して、民意を問うという形で解散総選挙に挑む。
選挙公約には議員定数削減と食料品の消費税減税を目玉として盛り込み、野党の減税頼みのバラマキ政策に対抗する。
国民民主党の厳しい立場
厳しいのは国民民主党で、国民も愚かではないから、消費税を一律5%にするのは無茶だとわかっているので、むしろ支持を減らすだろう。しかも、自分が言っていた手取りを増やす政策を高市政権に実行されているので、新しい訴えが出来ない場合はもう用済みであり、玉木党首は議席大幅増を願っているだろうが現有議席の維持すら難しく、単独での法案提出が可能な21議席すら危ぶまれるだろう。すでに、国民民主党に対する支持率は減少している上に、ネット上でもネガティブな意見が大勢を占める有り様で、玉木代表が自虐的に、あるいはその状況を変えたことを自慢気に語っていた視力検査レベルの政党に舞い戻るだろう。
小選挙区削減と高市首相の権力基盤
国民民主党の話にズレてしまった。議員定数削減に話を戻すが、比例だけになると憶測されているが、小選挙区も5-20議席程度の削減とするだろう。
まず、自民と維新に有利な削減だという批判をかわすことができるし、選挙に打って出る場合はこれは重要な要素となるだろう。
また、小選挙区から減らす議席数をどうするかも高市首相の大きな力の源泉となる。
というのは、選挙の公認権は総裁が握っているため、合区となった小選挙区の公認を誰とするのか決めることが出来るため、強い影響力を保持できる。
特に、合区となるのは一票の格差是正の観点から、地方となると考えられるが、高市総裁は都市での支持が高い政治家であり、逆に党内の反高市勢力は地方を基盤としている為、首根っこを押さえることとなる。
党内での安定にも結びつくため、間違いなく小選挙区も削減する方向で進むだろう。また、削減される小選挙区の割合を減らしたい反高市の地方議員も、高市側に付いて従わざるを得なくなる。
そのため、議員定数削減は高市総裁にとって棚からぼた餅とでも言うような代物であり、自身の権力基盤を強化する強い武器となる。
議員定数削減の法案が通って、党内の権力行使をしやすくなっても良し、通らずに野党やもし造反者がいれば、そいつらもまとめて抵抗勢力として選挙の大義名分としても良しと、最良の状況を作り出すことができるのだ。


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