円の価値をおとしめた日銀 資産は早くドル建てに 藤巻健史
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藤巻健史〈ふじまき・たけし〉フジマキ・ジャパン代表取締役 元モルガン銀行東京支店長、元ジョージ・ソロスアドバイザー、前参議院議員。
足元の1ドル=157円台という円安は、日銀自らが通貨価値をおとしめてきた当然の帰結だ。2013年4月から日銀は、黒田東彦総裁(当時)の下で量的質的金融緩和(異次元緩和)をスタートさせ、10年以上にわたり大量の国債やETF(上場投資信託)、J-REIT(上場不動産投資信託)を買い入れ、巨額の資金を供給した。脱デフレを目的としたが、実態は財政破綻危機を先送りさせるための財政ファイナンス(政府の歳出を中央銀行が通貨を発行することによって賄う)だった。
世界中を見渡しても国債の約半分を保有し、リスク資産であるETFやJ-REITを購入する中銀は過去にも存在しない。通貨と物価の番人である中銀が、禁じ手とされる行為を10年以上続けたのだから、通貨価値の毀損(きそん)が起こり、円安、インフレ(物価上昇)、金利上昇が起こるのは当然だ。
私は1ドル=200円、300円の円安どころか、円は紙切れになると思っている。第二次大戦後に大混乱をもたらし…
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週刊エコノミスト
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