新刊発売から12日経過の植本一子(2025/12/12)
家を出ると、玄関のポストに来週発売の「BRUTUS」が投函されていた。宅急便で送ってくださったらしい。それを自転車のカゴに入れて、渋谷にある川名さんの事務所まで。半年前に作った『ここは安心安全な場所』の初版がもうすぐなくなることもあり、増刷の相談に。川名さんは年末進行でめちゃくちゃ忙しそう。そんな中で時間を作ってもらったわけだけれど、わたしの新作の日記(デザイナーは根本匠さん)を渡すと「変わった装丁だ」と拡大ルーペを取り出し、シルバーで印刷された文字をまじまじと見ている。ちょっとぷくっとして見えるでしょ、これはね、シルバーの下に黒い網点があって……と、わたしも知らなかった謎解きをしてくれる。
川名さんからも、根本さんからも、来年の2月頃に印刷の紙が値上げされることを聞かされていた。世知辛い。なので増刷するならそれまでに決めなければいけない。
渋谷から戻り、近所の喫茶店で高橋さんとお茶。昨日、家の新しいカーテンの裾上げをお願いしたので、そのお礼にコーヒーをご馳走する。BRUTUSをめくり、自分の載っているページを確認。今回の「本棚特集」でうちにある高橋さんに作ってもらった本棚も載っている。他の人の本棚も面白そうだけれど、全部読まないうちに高橋さんにそのまま貸してしまった。一年に一度の本棚特集、去年のものを編集さんからもらったのだけれど、川名さんの事務所の本棚も載っていた。川名さんの事務所に行くといつも嬉しいことがある。それは、川名さんのデザインした本で、本棚に3冊以上ささっているものは、1冊もらっていいことになっているのだ。今日は『ひらやすみ』の9巻をもらってウハウハで帰ってきたところ。
青山ブックセンターの2025年の年間ランキングでも、文芸部門で10位に『ここは安心安全な場所』がランクインしていて、それが本当に嬉しい。解説を書いてくれたとくさんこと徳吉英一郎さんに報告すると、もちろん喜んでくれて「アナーキズムが穴を穿ったという点で真に民衆的かつ革命的な出来事」とのこと。確かに、他はすべて出版社から出ているもので、自費出版という地道な孤軍奮闘が実を結んだような気もして、それもこれも、本を作るのに関わってくれたデザイナーの川名さんはもちろん、校正の松井さん、協力してくれた柴山さん、解説を書いてくれたとくさん、そして本の舞台となったあの場所があること、さらにたくさん売ってくれた青山ブックセンターと、みなさんの力を借りることができて、こうして形になったのだと改めて思う。
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