捜索中の暴行、大阪府警捜査4課員ら12人懲戒処分 逮捕の2人免職

光墨祥吾 小島弘之 編集委員・吉田伸八
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 家宅捜索中に捜査対象者の男性らに暴行したとして、大阪府警捜査4課の警察官6人が特別公務員暴行陵虐罪などで起訴・在宅起訴された事件で、府警は4課員ら12人を懲戒処分とした。また16人を本部長訓戒などの処分にした。指導措置も含めると、処分を受けた人数は計35人に上った。

 府警が23日発表した。

 特別公務員暴行陵虐容疑で逮捕・起訴されている警部補の時長力被告(51)と巡査部長の阪口裕介被告(33)の2人は懲戒免職処分とした。

 さらに、府警は「暴行の様子を映したカメラ映像はない」と虚偽の報告を大阪地検にした犯人隠避の疑いで同日、捜査4課の警部(45)を書類送検したことも明らかにした。

 警部は「犯人を隠避したり事件を隠蔽したりする意図はなかった」と容疑を否認しているという。

 暴行事件は昨年7月、性風俗店に女性を紹介したとする職業安定法違反容疑で、大阪市西区のビル一室を捜索した際に起きた。

 府警はこの一室を国内最大規模のスカウトグループ「ナチュラル」の拠点とみて、捜査員20人以上で捜索した。当時室内には捜査対象者の20代の男性3人がいた。

 阪口被告はこのうち2人の腹や頭を殴打し、現場責任者だった時長被告は2人のあごを押すなどしたとされ、別の4人も特別公務員暴行陵虐罪で在宅起訴された。

 阪口、時長両被告は大阪地裁の初公判で暴行をそれぞれ認め、スマートフォンに設定されたパスコードの解除に男性が応じず、暴行に及んだことなどを説明している。

警察庁が通達「適正な捜査徹底を」

 大阪府警の捜査員が家宅捜索中に捜査対象者に暴行したとされる事件を受け、警察庁は23日、再発防止にむけ、適正な捜査を改めて徹底するよう指示する通達を全国の警察に出した。

 今回の問題は、国内最大規模のスカウトグループ「ナチュラル」の拠点とみられるビルの一室を捜査員20人以上で捜索した際、現場責任者の警部補(懲戒免職)らが捜査対象者に暴行したとされる。

 通達は、今回の捜査では指揮命令系統が適切に機能せず、捜索などに際して適正捜査に関する指揮・指示が不徹底だったと指摘。捜査幹部は現場責任者に現場全体を掌握して状況を的確に把握させることや、捜査上の不適切な行為を見聞きした場合に情報が組織に共有されるように自浄機能を強化することなどを求めた。

 また、今回の問題について「警察組織を挙げて匿名・流動型犯罪グループ対策に取り組む中、このような事案があれば警察捜査に対する信用を失墜させ、捜索などで得られた証拠の能力を揺るがせ、犯罪の立証に支障を来すおそれがある」と指摘した。

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この記事を書いた人
吉田伸八
編集委員|警察庁担当
専門・関心分野
警察行政、事件、犯罪