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最大の集客イベント「万博」を失った大阪メトロ夢洲駅、eスポーツ大会で「駅そのものを目的地」に!

鉄道ライター
夢洲駅構内の巨大スクリーンでeFootballの大会が行われた(筆者撮影)

2025年大阪・関西万博の最寄り駅として賑わった「夢洲駅」。現在は閑散としています。周辺に集客施設はなく、1kmほど離れた物流施設群もクルマやバスで通う人が多いようです。1月18日、日曜日の昼時に訪れた人に聞くと、「いまはどんな様子か見に来た」という人や「明日から万博会場の○○館を解体するので下見に」だそうで、晴天なのに寂しさを感じます。しかし、この日、地下の駅構内は若者たちで賑わっていました。

夢洲駅。白い建物が青空に映えます(筆者撮影)
夢洲駅。白い建物が青空に映えます(筆者撮影)

夢洲駅裏側にはエレベーターが2基(筆者撮影)
夢洲駅裏側にはエレベーターが2基(筆者撮影)

まるで駅が包囲されているようです(筆者撮影)
まるで駅が包囲されているようです(筆者撮影)

万博エリアはすべて立ち入り禁止(筆者撮影)
万博エリアはすべて立ち入り禁止(筆者撮影)

広告類が撤去された駅前広場(筆者撮影)
広告類が撤去された駅前広場(筆者撮影)

1月18日、夢洲駅構内で「夢洲GAMER’S FES 2026 PLAYER’S TERMINAL」が開催されました。2025年大阪・関西万博の閉幕を契機に、そのレガシーと理念を受け継ぎ、大阪の持続可能な発展を目指す「アフター万博」の取り組みです。大阪メトロと南海電鉄の共催で、大阪府が後援。運営は南海電鉄系列のeスタジアム株式会社と大阪メトロ系列の大阪メトロドエラが担当しました。

オープニングセレモニーには大阪府の吉村洋文知事、大阪市長代理として高橋徹副市長が列席。そして2025年大阪・関西万博の人気キャラクター、ミャクミャクがお祝いに駆けつけました。

未来へスイッチオン! 左からミャクミャク、南海電鉄の岡嶋信行社長、大阪市副市長の高橋徹氏、大阪府知事の吉村洋文氏、大阪メトロ社長の河井英明氏(筆者撮影)
未来へスイッチオン! 左からミャクミャク、南海電鉄の岡嶋信行社長、大阪市副市長の高橋徹氏、大阪府知事の吉村洋文氏、大阪メトロ社長の河井英明氏(筆者撮影)

「夢洲GAMER’S FES 2026 PLAYER’S TERMINAL」は、サッカーゲーム「eFootball」を使ったトーナメント形式のオープン大会「夢洲 GAMER’S FES 2026 powered by eFootball」と「コミュニティエリア」を同時開催しました。

広いコンコースを使って2つのeスポーツイベントを同時開催。左端が改札口(報道用配付資料より)
広いコンコースを使って2つのeスポーツイベントを同時開催。左端が改札口(報道用配付資料より)

「夢洲 GAMER’S FES 2026 powered by eFootball」の参加選手は公式サイトで公募され、個人戦の部で16名、チーム戦は2名8組16名が先着順にエントリーしました。夢洲駅のコンコースに設置された、高さ3m、幅55mの大型サイネージを使い、対戦中のゲーム画面を映し出します。実況解説はeFootballのプロプレイヤーGENKIモリタ氏が担当し、元Jリーグ選手で現在はプロサッカーチーム「セレッソ大阪」のアンバサダー、酒本憲幸氏と丸橋祐介氏がゲストコメンテーターとして登壇しました。同時に開催「eFootball体験会」も開催されました。試合を見て「eFootball」に興味を持った人向けの体験エリアで、スタッフが遊び方をサポートしました。

大画面で観戦を楽しめました。画面左下がGENKIモリタ氏、画面右下の赤いユニフォームが酒本憲幸氏と丸橋祐介氏(筆者撮影)
大画面で観戦を楽しめました。画面左下がGENKIモリタ氏、画面右下の赤いユニフォームが酒本憲幸氏と丸橋祐介氏(筆者撮影)

休憩エリアもパブリックビューイング可能。幅広いデジタルサイネージならではの演出(筆者撮影)
休憩エリアもパブリックビューイング可能。幅広いデジタルサイネージならではの演出(筆者撮影)

「コミュニティエリア」はパズルゲームや格闘ゲームの対戦会、人気ゲームを高速でクリアするRTA(Real Time Attack:リアルタイムアタック)などが行われました。親子連れも楽しんでいるようすで、eスポーツの広がりを感じます。

コミュニティエリアも大人気(筆者撮影)
コミュニティエリアも大人気(筆者撮影)

「夢洲 GAMER’S FES 2026 powered by eFootball」もコミュニティエリアもたいへん盛り上がっており、大阪メトロによると参加者数は合わせて約450名とのことでした。

夢洲駅は大阪・関西万博の大量輸送と大阪IR(統合型リゾート)の集客を見込んで大きな構内になっています。改札機も16台あり、梅田駅北改札に次ぐ規模です。しかし、万博終了後は乗降客が激減しています。そもそも駅の周辺は閉鎖されており、夢洲駅に来ても目的地がありません。

IRが開業する2030年秋まで夢洲駅は今のままでしょう。万博跡地も同時進行で再開発予定とはいえ、それまで夢洲駅をどのように維持、活用するかが大阪メトロの課題となっています。そこで、構内を仕切りイベント広場に見立てました。夢洲駅名物の55メートル×3名物の大型LEDでコンテンツと「折り紙天井」で光の演出が可能となっています。これはeスポーツ大会を盛り上げるためにピッタリな仕掛けでしょう。

広い構内のサイネージ側が仕切り線で区切られてイベントスペースになった(筆者撮影・加工)
広い構内のサイネージ側が仕切り線で区切られてイベントスペースになった(筆者撮影・加工)

駅周辺に目的地がないならば、駅そのものを目的地にしてしまえばいい。「夢洲GAMER’S FES 2026 PLAYER’S TERMINAL」はその試金石のひとつといえます。夢洲駅は翌19日に開業から1周年を迎えました。eスポーツの新たな拠点として、大型サイネージを使った映像コンテンツのイベント会場として、今後の展開が楽しみです。

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ありがとうございます。
鉄道ライター

東京都生まれ。信州大学経済学部卒。信州大学大学院工学系研究科博士前期課程修了。出版社でパソコン雑誌・ゲーム雑誌の広告営業を担当したのち、1996年にフリーライターとなる。IT、PCゲーム、Eスポーツ、フリーウェア、ゲームアプリなどの分野を渡り歩き、現在は鉄道分野を主に執筆。鉄道趣味歴半世紀超。2021年4月、日本の旅客鉄道路線完乗を達成。基本的に、列車に乗ってぼーっとしているオッサンでございます。

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